『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか? 夫婦関係を改善する「伝え方」教室』 (岡野あつ子/講談社)第4回【全5回】
離婚カウンセラーとしてこれまで約4万件もの離婚相談を受けてきた岡野あつ子さんによると、コロナ禍以降、離婚相談の件数が急増しているそうです。なかでも少なくないのは、夫婦関係のささいな不満が積み重なったことで限界に達した夫や妻による「熟年離婚」の相談。岡野さんの著書『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか? 夫婦関係を改善する「伝え方」教室』(講談社)は、夫婦間トラブルを回避するための実践的なノウハウがつまった1冊。今回はこの本の中から、年を重ねた夫婦間にこそ必要な「コミュニケーション」、「伝え方」についてのアドバイスをご紹介します。
※本記事は岡野あつ子著の書籍「なぜ『妻の一言』はカチンとくるのか? 夫婦関係を改善する『伝え方』教室」から一部抜粋・編集しました。
長続きするカップルの「KISSの法則」
大谷翔平選手のコメントを引用しましたが、長続きする夫婦ほど、お互いに支え合うという意識を大切にしていると感じます。
お互い好きで結婚に至ったとしても、もともと価値観も考え方もまったく同じというわけではありません。関係を維持する努力を怠ると、どうしてもギスギスしてしまうものです。
一方、長続きする夫婦ほど、普段から関係を維持するための努力を怠りません。
それを整理したのが、次にあげる「KISSの法則」です。
まず一つ目の「K」は「気を抜かない」こと。
「うちの夫婦は仲がいい」と思って、関係を維持する努力をやめてしまったり、相手への態
度が雑になったりしないようにしましょう。
次に、「Ⅰ」は「イメージダウンさせない」。
夫婦だと、つい相手のことを悪く言ってしまう人がいます。妻を「愚妻」と周囲に吹聴したり、「ダメ亭主」などと夫を悪く言う妻もいます。
お互いに悪く言う夫婦より、お互いに相手をほめ合う夫婦のほうが、長続きするのは言うまでもありません。
三つ目の「S」は「サービス精神」です。
夫婦で暮らす日常が当たり前になると、相手にサービスしなくなる人がいます。そんななかでも、もちろん仲のいい夫婦ほど、ちょっとしたことでプレゼントを贈り合ったり、お互いに助け合っているものです。相手へのサービス精神を大事にすることを心がけましょう。
四つ目「S」は「スキンシップ」です。
スキンシップも立派なコミュニケーションです。ハグや握手には人間関係を親密に感じさせる効果があります。日本人はついスキンシップをおろそかにしがちですが、仲のいい夫婦ほどスキンシップを大事にしているものです。
この「KISSの法則」をできるだけ取り入れるようにしましょう。