政府広報オンライン公開の「住宅火災からいのちを守る 7つのポイント」によると、住宅火災の発生率は火災全体の約3割ながら、死亡率は非常に高い数字を記録しています。7つのポイントとともに、火災原因の上位となっている「たばこ」への注意、夏場と冬場で異なる火災原因の差や注意すべきポイントなどを紹介します。
火災から身を守るために、やってほしいこと、やってはいけないこと
先の調べでは、火事による死者の約7割は住宅火災によるものだそうです。発生率と照らし合わせると、住宅火災による死亡率の高さが際めて高いことがわかります。本来なら安心して過ごす場である家が、火災の危険性をはらんでいると思うと恐いですね。火災警報器は付いているから安心、なんて思ってしまっている人も、作動チェックはできていますか? 意外と見落としがちな部分も、ここで一旦確認してみましょう。
まず、住宅火災から身を守るためにやって欲しいことは4つ。住宅用火災警報器を設置すること、防火カーテンなど防災品を使用すること、住宅用消化器等を設置すること、そして隣近所の協力体制をつくること、です。特に、火災警報器や消化器は使用期限があるので、こまめにチェックし、取り替え時期には注意しましょう。
そしてやってはいけないことは3点。寝たばこ、ストーブを燃えやすいものの近くで使う、そして、料理中に火の付いた"こんろ"から離れる、です。ちょっとした油断が、火災につながる可能性があります。そして反対に、小さな心がけで、火災を防ぐことができることもわかります。
一番多い火災の原因とは? 注意点とその対策
東京消防庁が発表した「平成29年における火災の概要」によると、出火原因の第一位は「たばこ」。同じく消防庁が発表した「たばこ火災に関する報道資料」では、火災を防ぐポイントについて具体例を挙げています。これによれば、たばこ火災はほとんどの場合、喫煙者のマナーに起因して発生しているとのこと。喫煙率が低下しているにも関わらずたばこ火災が増加していることで、喫煙者のマナーが問われているようです。
屋内で気をつける点として、喫煙する際には灰皿を準備し、火の付いたたばこを手に持ったまま部屋の中を歩き回らないようにすることや、灰皿の吸殻はこまめに清掃することなど、基本的なことから心がけていくよう呼びかけています。
さらに、天気予報で知られる「ウェザーニュース」では、北陸の一部を除くほとんどのところでは、夏よりも冬のほうが湿度が低くなり空気が乾燥することを指摘しています。空気の乾燥にくわえて、ストーブなど暖房器具の使用が増えることでも、さらに注意する必要があるかもしれません。普段からの心がけはもちろん、冬の時期には、さらに気を配るようにし、住宅火災から身を守っていきましょう。
文/山川温