そんな感じで、夕方までちんたら漫画を読み、ついに16時から本気で東大の過去問に取り掛かり、焦りながら19時ごろスーパーへお惣菜を買いに走り、20時にマッハで引越し準備をした。専業主婦が夕食にお惣菜を出すことが、悪いことだと思わない。
でも、今回のお惣菜は完全に怠惰の結果だと認めざるを得ないね。
ちなみに、夫がはじめて「お惣菜」だと認識した「お惣菜」の感想は、「お惣菜なのに結構おいしいね」だった。何度も食べてきたくせにね。
そして、なんとか1年分の過去問を解き終えた。......こんな調子で何かと言い訳をしながらちんたら解いたせいで、1週間もかかっちゃったよ。
ビリギャルよりすごい 5月末
勉強のほかに家事と仕事があるとはいえ、このペースは受験生としてありえなすぎる遅さだ。予備校講師時代の私だったら絶対怒ってるやつだわ。自分はこんなザマなのに、よくも生徒に説教なんてできたなぁ。
でも、久しぶりにかなり頭を使って、本気で解ききった! この1週間の中身は、すんごくすんごくクソだけど、なんだか大きなことを成し遂げたような、爽快な気分になった。よし! 採点するぞ!
どきどきする。
だって、これが絶望的に悪い点数だったら寝ずに勉強しても、半年じゃ合格なんて夢のまた夢だ。それに記述式だから、採点がすごく大変。昔高校生向けの記述模試の英語の採点のアルバイトをしてたから、英語に関してはそれなりの採点ができる。だけど他の科目はちょっと自信がない。
東大の学部に合格するには、センター試験で約9割とり、さらに二次試験で6割くらいの点数が必要だ。さてはて、私の点数は......多めに見積もって英語6割・国語5割・数学2割・世界史と地理2割。
お、おう。ダメだこりゃ。マーク式と違って、ふわっとした知識じゃ正解できない。
偶然正解して点数を稼げる可能性もまったくない。......ていうか記述試験もこのザマだったら、センター試験9割も絶対無理じゃん。あはは、これで合格したらビリギャルさんの100倍すごいわな。
そしてその夜、がっくりしながら、夫に採点結果を包み隠さず伝えた。
「そっかぁ。別に東大目指すのいつやめても、オレは何も思わないからね。やめたってただっちの価値が下がるわけでもないし。がんばろうとしただけでも、十分すごいし、えらいと思うよ。オレは」
がんばろうとしただけで、えらい、か。
私の東大受験の結果は、どぅるるるるるるるるるる! ぱっぱかぱ~ん! 参加賞! ってなわけね。