2軸思考は「普通の人」にとっての武器となる/2軸思考

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「頭の中がごちゃごちゃで、仕事が前に進まない」「次から次へと問題が起こってスケジュールが遅延している」...こうした複雑な問題を一瞬でシンプルにしたいなら、紙に、2本の線を引いてみてください。
本書『2軸思考』で、あらゆる問題をタテとヨコの2軸で整理して考える方法を学び、最速の時間で最大の成果をあげていきましょう! 今回はその8回目です。

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前の記事「考えるべき問題は「ぬり絵」で把握する/2軸思考(7)」はこちら。

 

結局、あなたの仕事でフレームワークが使えない理由

(1)考える枠を決める、(2)全体像を捉える、(3)ムダに考えない。
この3つの原則を実際の仕事で使うときに役立つのが「フレームワーク」です。フレームワークの本来の意味は、物事を考えるときに使う「枠」のことです。

フレームワークと聞いて多くの人が思い浮かべるのが、ロジカルシンキングのビジネス書などに載っている「3C」「4P」「SWOT分析」「PPM分析」などだと思います。しかし、これらのフレームワークを実際に仕事で使っている人は、あまりいないのではないでしょうか?

少なくとも、私が仕事をしているシステム開発の現場では、ほとんど見たことがありません。私のチームの若手メンバーからは、「研修やセミナー、ビジネス書でいろいろなフレームワークを勉強したのですが、正直、仕事でまったく使えないので忘れてしまいました」という声をよく聞きます。

こうなってしまう原因は、有名なフレームワークのほとんどが著名な経営者や世界的なコンサルティング会社が作ったもので、経営戦略やマーケティングに使うためのツールとして開発されてきたからです。しかし、ビジネスパーソン全体の中で経営戦略の立案やマーケティングに携わっている人がどれだけいるでしょうか?

「フレームワークは結局使えない」という声が多くなるのも、当然のことなのです。

 

2軸思考は「普通の人」にとっての武器

さまざまな現場で働くビジネスパーソンの間で、「フレームワークはよくわからないもの、使えないもの」という考え方が蔓延してしまっていることを、私はとても残念なことだと思っています。理由は、フレームワークこそが天才ではない「普通の人」にとっての最大の武器だと思うからです。とりわけ天才でもない私が外資系の最前線で15年間働き続けてこられたのも、フレームワークを使って考えてきたからなのです。

フレームワークなしで考える、すなわちロジカルシンキングをしないということは、「竹やり一本」で戦をするようなもの。ちょっと手強い問題を相手にすると、すぐに負けてしまいます。

一方で、「3C」「4P」「PPM分析」などの有名で強力な武器を持っていたとしても、それを使う場面がなければ意味はありません。私たちに必要なのは、いま目の前で起こっている問題に柔軟に対応できる「本当に使える」武器なのです。

日々、目の前で起こっている混乱した状況をどうにか整理したい。シンプルにしたい。でも、そのような状況で使える既存のフレームワークがない......。そうした苦悩の中で私がたどり着いたのが「2本の線で自分でフレームワークを作る」という方法でした。

最初のうちは課題を箇条書きでリストアップしたりベン図で書き表したりといろいろ試行錯誤を続けていましたが、問題に直面し、解決するという経験を重ねるうちに、タテ軸とヨコ軸の2軸で整理するというやり方にたどり着きました。この2軸思考という武器を手に入れてからは、目の前の問題を解決するために適したフレームワークを、自由自在に作れるようになりました。

 

次の記事「世の中の「構造」が2軸で瞬時に浮かび上がる/2軸思考(9)」はこちら。

木部 智之(きべ・ともゆき)

日本IBMエグゼクティブ・プロジェクト・マネジャー。横浜国立大学大学院環境情報学府工学研究科修了。2002年に日本IBMにシステム・エンジニアとして入社。入社3年目にしてプロジェクト・マネジャーを経験。その後、2006年のプロジェクトでフィリピン人メンバーと一緒に仕事をする機会を得る。2009年に役員のスタッフ職を経験し、2010年には 最大級の大規模システム開発プロジェクトにアサインされ、中国の大連への赴任も経験。日本と大連で500人以上のチームをリードしてきた。プロジェクト内で自分のチームメンバーを育成するためにビジネススキル講座を始め、そのコンテンツは社内でも評判となった。著書に『仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?』(KADOKAWA)がある。

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『2軸思考』
(木部智之/KADOKAWA)


頭の整理も、資料作成も、報告・指示、打ち合わせも、「線を2本引くだけ」で思考のスピードが爆速に! IBMで15年活躍する著者による独自メソッドを公開します。初心者でも、どんな業種でも使える「世界一簡単なフレームワーク」の作り方を凝縮。

 

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