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『歩いて旅する、ひとり京都』 (山脇りこ/集英社)第2回【全8回】
NHK「あさイチ」などに出演する料理家でエッセイストの山脇りこさんは、大の関西旅好き。年に4、5回は京都や大阪を訪れるそうです。そんな山脇さんの新刊が、旅エッセイ『歩いて旅する、ひとり京都』(集英社)。 「京都は歩くだけで楽しい街」と語る山脇さんが提案するのは、誰にも気兼ねせず、気の向くままに歩を進める贅沢な旅です。 京都、そして大阪、大津、近江八幡、明石、城崎...、一歩踏み出して"私とふたり"で歩けば、新しい景色やグルメに出合えるかもしれません! 今回は本書の中から、意外にも山脇さんにとって難関だったという「ひとりごはん」の楽しみ方について紹介します。
※本記事は山脇 りこ(著)による書籍『歩いて旅する、ひとり京都』から一部抜粋・編集しました。
関西ずしはひとりに優しい
まずは、ひとりでも寿司。ひとり寿司デビューは満を持して明石で果たしたが、あれは、いわゆる本格緊張寿司。
関西の押しずし、箱ずしやちらしずし、棒ずしなら、先に制覇している。なにしろそちら系はお弁当や仕出しの延長感があって入りやすい。女性ひとりの先輩方もよく見かける。
あなごや鯖の箱ずしのセットや、薄いカステラ玉子で巻かれた巻物や、海苔の太巻きも、やっぱり関西で食べるとおいしいし、ひとりにぴったり。助六あたりもひとりで注文しやすい。
ご存じ助六は、いなりとかんぴょう巻きの組み合わせ。いなりの油揚げの揚げと、かんぴょう海苔巻きの巻き、で「揚巻」と呼ばれるようになり、歌舞伎の「助六由縁江戸桜」の主人公・助六の恋人である吉原の花魁の名前が同じ「揚巻」だったことから、「助六」と。ちょいと回りくどいけど、歌舞伎通の心をくすぐるネーミングだったのか、今やその名が定番に。これも関西だとただのかんぴょう巻きではなく、具がもっと入った海苔巻きが多い気がする(私調べ)。
そんなわけで私の好きなひとりで入りやすい関西ずしの名店を。
まずは、京都の真ん中、四条烏丸からすぐの「すし善」。朝10時から夕方18時ごろまでという微妙な営業時間がかえってうれしい老舗だ。遅めの朝でブランチ的にとか、遅めの昼にここでしっかりいただいて、夜は軽めにおつまみだけとか、使い勝手がいい。
店に入ると、左手にカウンターがあるので、そこへ。迷いつつも、名物のちらしを選ぶことが多い。鯖やあなごの「押ずし」もおいしい。
名物というだけあってここのちらしは独特だ。一般的には、酢飯の上に鮮魚=刺身やその他具材がちらしてあるかと思うが、こちらは一面に錦糸卵。その下に、すばらしい仕事のしてある魚たちがかくれている。かくれているからぼちぼちの魚でもよさそうなものだけど、この魚にぬかりはない。づけもつかりすぎず、ほどよい。酢〆もいい塩梅だ。食べてみると、卵とのバランスもよく考えられていて、至福。ごはんが少なめなのも、お年ごろ(今の私)の胃袋にはありがたい。
持ち帰りもできるので、疲れて夜は出かけたくないなら、ここで鯖ずしやあなごずしを買って帰るもよし。名物「ちらし」も持ち帰りできる。旅の終わりに、相方へのお土産をこちらで調達することも。








