盆栽は野山の風情を鉢の中で再現するのが魅力。完成したばかりとは思えない風情ある仕上がり
山野草を使って盆栽に仕立てたものを「草もの盆栽」といいます。樹木で作る盆栽よりも短時間で手軽に作れ、初心者でも育てやすいのが魅力です。
国営昭和記念公園盆栽苑に、「夏の園芸インテリア」の楽しみ方をお聞きしました。
前の記事「部屋に涼を呼ぶ。作って飾って楽しい「草もの盆栽」の魅力(1)」はこちら。
自然を感じることができ、夏のお部屋を涼やかに彩ってくれる、草もの盆栽。初心者でも作りやすいので、自分だけの盆栽作りに挑戦してみませんか。
ポイントは、基本的には屋外で育て、時々室内に飾って楽しむこと。室内に置くときは地板や編んだマットなどの敷物を敷くと、より風情ある空間が作れます。
また、少しずつ育っていく過程を見るのも、盆栽の楽しみの一つ。表面が乾いたら、水を鉢底から流れ出るくらいたっぷり与えましょう。
草もの盆栽を作ってみましょう
【材料】
好みの山野草(写真は三ツ葉シモツケ)...2鉢。種類が違ってもよい。
好みの苔...2、3種類混ぜてもよい。
※どちらも山野草店や大型ホームセンターなどで購入できる。
赤玉土...粗い粒と細かい粒の2種類。
好みの鉢...底に網を固定し、鉢底の穴から針金を通しておく
【作り方】
1 鉢の中に山野草を並べてみて、配置をイメージする。山野草はポットから取り出し、根を粗くほぐし、長く伸びた根は切る。
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2 鉢の中に配置してみて、深さや収まり具合を確認。
3 粗い粒の赤玉土を底に入れた後、細かい粒を入れる。苗を配置して、軽く針金で仮留めして位置などを確かめる。よければ、根が動かないように針金で固定する。
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4 細かい赤玉土を入れ、割り箸で根の間にもしっかり入れる。鉢のヘリ側をへこませて水がたまりやすくする。
5 苔の裏側の厚みを少しそぎ落とす。内側から外側へ苔を貼る。根元は切り込みを入れるとよい。
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6 ヘリを少しへこませる。たっぷりと水を与える
樹齢約300年の盆栽に出合える
国営昭和記念公園内の盆栽苑
世界中で人気を博している盆栽。その銘品に出合うことができる。日本の伝統文化の一端を垣間見るとともに、精通したスタッフが初心者にも丁寧に盆栽のあらゆる質問に答えてくれる。
住所:東京都立川市緑町3173
電話:042-528-1751
時間:9:30 ~閉園30分前
料金:公園入園料 大人450円、シルバー(65歳以上)210円 ※盆栽苑の入園は無料
交通:JR立川駅あけぼの口より徒歩約10分(あけぼの口)
取材・文/石井美佐 撮影/木下大造 取材協力/国営昭和記念公園・盆栽苑チーフ矢部優昌