マジック1「予想外の現象が次々に!ペンとコイン」とは?
「コインをペンで叩くと、消えます!」と宣言して、ペンでコインを3回叩くと、コインではなくペンが消えてしまいます。消えたペンは、マジシャンの襟から現れます。「今度こそ、コインが消えます!」と言って3回叩くと、本当にコインが消えてしまいます。
●難易度・・・簡単
●演技時間・・・約1分
マジック1「予想外の現象が次々に!ペンとコイン」のタネあかし!
※左利きの人は、以下の解説の左右を逆に読み替えてください。
1左手の手のひらにコインを置き、右手でペンを持ちます。体を少し右に向けて、自分の左側に観客がいるようにします。「このコインをペンで3回叩くと、消えます!」と言います。この時点では「コインが消えます」とは言いません。「よーく見ていてくださいね」と言い、コインに視線を集中させます。
2ペンで左手のコインを叩きながら「いち、にの、さん!」と数えます。このときにペンを襟に差し込んでしまいます。
まず「い」でコインを叩き、「ち」で襟のそばまでペンを振り上げます。「に」でコインを叩き、「の」で襟の右側にペンを差し込みます。
3「さん!」で右手を振り下ろしてから開き、ペンが消えたことを示します。自分でも驚いたリアクションをするとよいでしょう。
4「実は、ペンはここにありました!」と言って、体の向きを変えて襟にあるペンを見せます。観客がペンに気づいたら、右手でゆっくりペンを取りますが、このとき左手でコインをポケットにしまいます。観客からは体の影になっているので見えません。
5すでに左手は空ですが、コインを持っているかのように握った状態にし、体の向きを元の向きに戻します。今度こそ、3回叩くとコインが消えます! いち、にの、さん!」手を開き、コインが消えているのを示します。
※このマジックは、ペンの代わりに割り箸やスプーン、せんぬき等を使って行うこともできます。コインの代わりは手の中に収まるサイズの物なら OK です。ビールの王冠、ペットボトルのふた、キャンディ等、状況に応じてアレンジしてみてください。
【魅せ方のポイント1】
集中ポイントを絞る
せっかく不思議なことが起きても、見逃されてしまっては何にもなりません。マジックの場合、もう一度繰り返すのが難しいこともよくあります。不思議なことが起きる場所(空間)と、タイミング(時間)がどこなのか、明確に分かるようにしましょう。
たとえば「コインに注目!」とセリフで言ってもいいですし、視線を使う(演者がその場所をじっと見つめる)だけでも、見てほしい場所がはっきりします。「いち、にの、さん!」というカウントによって見逃してはいけないタイミングも明確になります。
【魅せ方のポイント2】
意外性を演出する
人間には想像力があるので、この先どんなことが起きるかをある程度想像しながら物事を見ています。そんな想像を裏切るような意外な出来事が起きると、そのインパクトは大きいものとなります。スピーチやプレゼンテーションでも、真面目でカタい話の中に、ちょっとした冗談を交えると意外性が生まれ、そのシーンは印象に残るはずです。
さらにこのマジックでは「ペンが襟にあった」という意外な出来事によって、コインをこっそりしまう動作がカバーされるという効果もあります。
日向 大祐(ひゅうが・だいすけ)
マジックエアリスト。東京大学工学部卒、同学大学院環境学専攻修士。観客の目の前で見せるクロースアップマジックを中心に、会員制レストランや企業パーティー等で活躍。2009年、イギリスで開催された「Blackpool Magic Convention」にて優勝、日本人初の欧州チャンピオンに輝く。同年、マジックのオリンピック「FISM」日本代表。
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