北海道・帯広に、年間10万人が訪れる「紫竹ガーデン」。野原のような1万5000坪のこの庭に2500種もの花を咲かせるのは、紫竹昭代さんこと、紫竹おばあちゃん。
もともとはじゃがいも畑に白樺の木が5本あっただけ。"こんなだだっ広い土地に庭を作るなんてムリよ"という周囲の声もなんのそのと立ち上がり、いまも自分の夢を育て続けています。7月初旬、野原のような庭景色です。
前の記事「私、90歳。まだ、夢の途中/紫竹おばあちゃんの花と毎日(1)」はこちら。
◇◇◇
花模様の服を着て花の帽子を被り、
朝から夕方まで毎日庭で過ごします
「どの花をスターにしましょうか?」
紫竹おばあちゃんは、毎年そんなことを思いながら花の配置を決めます。腐葉土をふんだんに入れた健康な土に植えこむから、肥料や農薬は一切使いません。地植えの植物には水もあげないそうです。
「水が欲しければ、花は自分で根を伸ばします。雨が多ければ、雨が好きな花が咲くし、晴れた日が続けば乾燥を好む花が咲く。花にまかせておけば大丈夫なんですよ」
クローバーの歌、アカシアの歌、それから鼻歌...。花に聞かせるように、今日も歌いながら歩きます。
(左上から時計回りに)可憐な野バラから大輪まで、何種類ものバラが時間差で咲き続ける/本州では夏に咲くルドベキア。春と夏の花が同時に咲いて庭に色があふれるのは春が遅い土地ならでは/クレマチスの種類も豊富/睡蓮の池にはスイレンも!
紫竹ガーデンマップ
取材・文/飯田充代 撮影/守澤佳崇 マップ/今井和世
次の記事「祈るような気持ちで花を育てています/紫竹おばあちゃんの花と毎日(3)」はこちら。
紫竹昭代(しちく・あきよ)さん
1927年、北海道・帯広生まれ。1992年に紫竹ガーデンをオープン。長女夫妻、孫、スタッフらとともに園内で花を育て、紫竹ガーデンの運営会社の社長としても活躍。いまも毎日庭に出てお客様を迎え、案内している。
『紫竹ガーデン』
住:北海道帯広市美栄町西4線107
電:0155-60-2377
営:8:00~18:00
開:4月15日~11月末まで (閉園期間もレストランは営業)
休:期間中無休
料:大人800円、子ども200円
(団体割引、シーズン券あり)
交:とかち帯広空港より車で約20㎞
JR根室線帯広駅から車で約22㎞