年間10万人が訪れる、北海道・帯広の「紫竹ガーデン」。野原のような1万5000坪のこの庭に2500種もの花を咲かせるのは、紫竹昭代さんこと、紫竹おばあちゃん。
もともとはじゃがいも畑に白樺の木が5本あっただけ。"こんなだだっ広い土地に庭を作るなんてムリよ"という周囲の声もなんのそのと立ち上がり、いまも自分の夢を育て続けています。7月初旬、野原のような庭景色です。
前の記事「肥料や農薬は一切使いません。水もあげないのが私の庭/紫竹おばあちゃんの花と毎日(2)」はこちら。
会いに来てくれる人たちと、命の話をするわ
花も野菜も、みーんなおいしいよ。ほら、食べてみて
庭には毎日大勢のお客様が訪れます。お出迎えをして一緒に庭を歩き、ときには長く話し込んで、帰り際にはかならず手を振って"お元気でー"とお見送り。ひとりひとりときちんと向き合って、心を通い合わせるのが紫竹おばあちゃんの喜びです。
「花は好きだけれど、種は蒔かないと話す人が多いの。年をとっていつどうなるかわからないから、育てる自信がないって。だからね、そういう方に見ていただくために、ここでは絶対咲かせよう!と祈るような思いで育てています」
庭の奥のバックヤードには野菜や果物もずらり。収穫したものは園内のレストランで朝ごはんの食材として使われます。そう、おばあちゃんの元気の素のお裾分けです。
「ここで元気になって、みなさんが家路についてくれますように」
真っ赤な赤かぶをさっと引き抜いてがぶり。甘くておいしい!
ガーデンの愛猫・みっけちゃん。
お客様の先頭に立ち案内役も務める。
「いちごも赤く色づいてきた。そろそろブルーベリーも食べごろよ」
お孫さん(左)もガーデンの頼もしいスタッフの一人。手をつないでどこへ行くのでしょう。
紫竹ガーデンマップ
取材・文/飯田充代 撮影/守澤佳崇 マップ/今井和世
紫竹昭代(しちく・あきよ)さん
1927年、北海道・帯広生まれ。1992年に紫竹ガーデンをオープン。長女夫妻、孫、スタッフらとともに園内で花を育て、紫竹ガーデンの運営会社の社長としても活躍。いまも毎日庭に出てお客様を迎え、案内している。
『紫竹ガーデン』
住:北海道帯広市美栄町西4線107
電:0155-60-2377
営:8:00~18:00
開:4月15日~11月末まで (閉園期間もレストランは営業)
休:期間中無休
料:大人800円、子ども200円
(団体割引、シーズン券あり)
交:とかち帯広空港より車で約20㎞
JR根室線帯広駅から車で約22㎞