2021年12月22日(水)から26日(日)まで開催される「第90回全日本フィギュアスケート選手権」。日本のフィギュアスケートイベントにおいて最も権威があり、数々の名勝負の舞台となった大会です。
そこで今回は、羽生結弦選手、宇野昌磨選手の全日本選手権をスポーツ写真家の中村康一氏が振り返ります。
今期の全日本フィギュアスケート選手権はさいたまスーパーアリーナで開催される。
過去にも全日本選手権、世界選手権が何度も開催された会場であり、個人的には2014年の世界選手権、羽生結弦、浅田真央のアベック優勝が最も記憶に残っている思い出深い会場。
昨年の全日本選手権は代表取材となったため、フィギュアスケート取材を始めて以来、初めて撮影できなかったことが残念だが、今年は熱い戦いを現地で見届ける予定だ。
前編の羽生結弦編に続き、今回は宇野昌磨の過去の全日本での活躍を振り返る。
彼は2006年を皮切りに、ノービス、ジュニアを含めると全日本と名の付く大会に21試合も出場している。
現在、全日本ノービスBクラスへの出場資格は6月30日現在の年齢で9歳から10歳の2年間と決まっているが、かつては10歳以下とされていた。
8歳でも野辺山合宿で優秀なアピールができれば出場資格を得ることができたため、宇野昌磨は8歳から10歳まで、全日本ノービスBクラスに3度出場しているのだ。
また彼はたとえ怪我をしていてもめったなことでは試合を欠場しない選手でもある。
2018年の全日本選手権は、通常であれば棄権しておかしくないほどの怪我を押しての強行出場だった。
そういった事情もあり、異例ともいえる21回の全日本出場を果たしているのだ。
そして、その間には全日本選手権4連覇も果たしている。強行出場がなければ成しえなかった記録だ。
昨季は新型コロナ禍の影響で多くの選手が活動に支障をきたしたシーズンだった。
ただその中でも宇野昌磨は全日本選手権に意欲的な構成で臨み、素晴らしいパフォーマンスを発揮した。
2位となったことはひとえに、相手が強かった、その一言に尽きるだろう。
今季は昨年に輪をかけて超高難度の構成に挑戦することを宣言している。
フリー演技で4回転を5本。NHK杯ではそのうち4本を成功させている。
全日本選手権ではどんな演技を披露してくれるだろうか。彼のスケート人生でのベストパフォーマンスを期待したい。