腎臓に負担をかけない5つの生活習慣(4)

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腎臓には、何千種類もの成分を仕分けて尿を作り出す「尿細管」という器官がありますが、この機能が低下すると尿細管障害に陥り、夜間頻尿などにつながる場合があります。尿細管を守るには、生活習慣が大切。東京慈恵会医科大学附属病院腎臓・高血圧内科診療部長の横尾 隆先生に、腎臓に負担をかけない生活習慣について、伺いました。

前の記事:「夜間の頻尿は腎機能低下の兆し!?水分の控え過ぎにも要注意!」はこちら。

腎機能低下の治療法はなし 予防の心掛けが大切

腎臓の尿細管を守るには、生活習慣が大切になることはもちろんですが、生活習慣病も腎機能の低下を進行させます。腎臓は、細かい血管の集まりのような臓器で、たくさんの血液を必要としますが、高血圧症や脂質異常症、2型糖尿病は動脈硬化を進めるため、腎臓にもダメージを与えやすいのです。2型糖尿病は、進行すると糖尿病性腎症の合併症を引き起こし、腎機能が著しく低下することで知られています。腎臓の働きが10%未満になると、人工的に血液をろ過する人工透析が必要になります。体内の余分な水分や毒素を排出しないと、命に関わるからです。

「低下してしまった腎機能を元に戻す方法は、いまのところ再生医療でしか実現できないと考えられています。つまり、現在は有効な治療法はありません。日頃から腎機能を守る習慣を身につけていただきたいですね」と、横尾先生は話します。

小まめな水分補給など、少しの見直しで腎臓を守ることは可能です。脱水症状を防ぐことは熱中症予防にも役立ちます。健康な腎臓を維持し、健康長寿を目指しましょう。


健康な腎臓のために実践したい! 5つの生活習慣

1 塩分の摂取量を見直す
塩分に含まれるナトリウムは、健康を維持するために一定量は不可欠です。塩分をとり過ぎてしまった場合、腎臓が余分なナトリウムを排出するのですが、この状態が続くと腎臓に負担がかかり、悪影響を及ぼします。高血圧症や動脈硬化の促進なども加われば、さらに腎機能は低下しやすくなります。女性の場合は1日6g未満の塩分摂取を心掛けましょう。

2 水分を小まめにとる
水分をとることが習慣化されていない人は、「喉は渇いていないから」と、飲み物を避ける傾向があります。でも、喉が渇いていないように感じても体は水分を必要としています。夏場は、身近に飲み物を置き、30分~1時間に1回程度は水分を少しとるようにしましょう。一気に飲むのではなく、小まめにとるのがコツです。

3 ダイエットは健康的に
太って生活習慣病になると腎機能も低下します。肥満は大敵ですが、無理なダイエットもよくありません。下剤などを用いた極端なダイエットをしていると、体内で脱水症状が続くために腎臓にダメージを与えてしまうのです。小まめな水分補給を行いつつ適度な運動を心掛け、食事の総カロリーを抑えることが大切です。ダイエットは継続して長期間ゆっくり行うのが効果的。無理は禁物と心得ましょう。

4 朝晩、体重を測る
腎機能が低下すると体内で水分量を一定に保つ働きが落ち、余分な水分がたまりやすくなります。それを簡単に知ることができるのが体重測定です。朝食前と夕食前の空腹のときに、体重を測ってみましょう。夕食前に体重が0.5~1㎏増える状態が、1週間から10日程度も続くようなら腎機能が低下している可能性があるので、腎臓病の専門医に相談してみてください。

5 夜間に目覚めたらコップ1杯の水を
腎機能が低下していると夜間に尿意を感じやすくなります。夜、目が覚めるのを避けるために夕食時に水分を控えると、脱水症状によって腎機能の低下に拍車をかけるのでご用心。適度に水分をとって夜中に目が覚めてしまっても、再度コップ1杯の水を飲むようにしましょう。水分補給は、腎機能をそれ以上悪化させないために大切なことなのです。

  

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<教えてくれた人>
横尾 隆(よこお・たかし)先生
東京慈恵会医科大学附属病院腎臓・高血圧内科診療部長。東京慈恵会医科大学卒、英国UCLへの留学などを経て2013年より現職。腎臓病の診断・治療のスペシャリストとして、腎臓の再生医療の研究にも尽力。
この記事は『毎日が発見』2017年8月号に掲載の情報です。
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