おかゆを鍋で発酵させて作った甘酒はブドウ糖、総合ビタミン類や総合アミノ酸類を含み、点滴による栄養剤の補給と同じ効果があることはご存知ですか? 免疫力をアップさせる効果もあります。発酵の過程で、麹菌は穀物のでんぷんをブドウ糖に変えるアミラーゼ、米のたんぱく質をアミノ酸に分解するプロテアーゼを作り出します。
その甘酒から作る塩麹には、アミノラーゼやプロテアーゼの他に、100種類以上の酵素が含まれていることが分かっています。
塩麹は保存もきくので、料理に調味料として活用すると、腸内環境を整え、免疫力をアップするのにひと役買ってくれます。
体によくておいしい、優秀な調味料として、大いに活用したいものです。
※甘酒から塩麹を作る方法はこちら。
パスタにスープ。塩麹はどんな料理にも使いこなせます!
スープや麺類など、いろいろなレシピに塩麹を加えてコクをアップ。
「じゃことねぎのパスタ」
1人分 430kcal/塩分1.4g
パスタ類をゆでる際、塩の代わりに塩麹を使います。もっちり仕上がります。
【材料】(2人分)
スパゲッティ...150g
水...1.5リットル
塩麹...大さじ1
にんにく(みじん切り)...1片分
赤とうがらし(小口切り)...3~4本分
オリーブ油...大さじ1
ちりめんじゃこ...大さじ2
万能ねぎ(斜め切り)...4本分
こしょう...少々
【作り方】
1 鍋に水を沸かし、塩麹を加え、スパゲッティを入れ、表示時間通りにゆでる。
2 ゆで始めたら同時にフライパンにオリーブ油とにんにくを入れ、弱火にかける。にんにくがきつね色になったら、赤とうがらしと湯をきったスパゲッティ、ちりめんじゃこ、ねぎを加えて混ぜ、火を止める。
3 器に盛り、こしょうをふる。
「きのこと卵のスープ」
1人分 128kcal/塩分0.7g
塩分が少量でもおいしく感じられるのは、塩麹のおかげです。
【材料】(2人分)
しめじ...200g
水...300ml
A 塩麹...小さじ1
鶏がらスープ(顆粒)...小さじ1/2
卵...2個
万能ねぎ(小口切り)...1本分
こしょう...少々
【作り方】
1 しめじは石突きを取ってほぐす。
2 鍋に水を注ぎ、Aと1 を加え、火にかける。煮立ってきたら卵を割り落とし、白身を箸で中央に寄せてポーチドエッグ状にし、白身が固まったら火を止める。
3 器に盛り、万能ねぎとこしょうをふる。
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取材・文/石井美佐 撮影/中野正景
村上祥子(むらかみ・さちこ)さん
料理研究家・管理栄養士。1942年、福岡生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。食材の持つ力で健康寿命の延伸を図る研究に関与する。