おかゆを鍋で発酵させて作った甘酒はブドウ糖、総合ビタミン類や総合アミノ酸類を含み、点滴による栄養剤の補給と同じ効果があることはご存知ですか? 免疫力をアップさせる効果もあります。発酵の過程で、麹菌は穀物のでんぷんをブドウ糖に変えるアミラーゼ、米のたんぱく質をアミノ酸に分解するプロテアーゼを作り出します。
その甘酒から作る塩麹には、アミノラーゼやプロテアーゼの他に、100種類以上の酵素が含まれていることが分かっています。
塩麹は保存もきくので、料理に調味料として活用すると、腸内環境を整え、免疫力をアップするのにひと役買ってくれます。
体によくておいしい、優秀な調味料として、大いに活用したいものです。
※甘酒から塩麹を作る方法はこちら。
塩麹で肉がますますふんわりやわらか!
塩麹で調味すると肉がジューシーになり、びっくりするほど食べやすくなります。おすすめレシピ2点を紹介します。
「ひらひらカツ」
1人分 255kcal/塩分1.2g
軽くて食べやすい薄いカツです。塩麹をぬったら10分ほどおくのがポイント。
【材料】(2人分)
塩麹...小さじ1
こしょう...少々
小麦粉、溶き卵、パン粉...各適量
揚げ油...適量
キャベツ(せん切り)...2枚分
トンカツソース...適量
【作り方】
1 豚肉を広げて塩麹を点々とつけて指でぬり広げたら、こしょうをふり、10分おく。
2 小麦粉、溶き卵、パン粉の順にころもをつけ、170℃の油できつね色になるまで揚げる。
3 皿にキャベツと2 を盛る。食べるときにソースをかける。
「うま唐揚げ」
1人分 250kcal/塩分0.7g
ジュワッと肉汁をたっぷり閉じ込められるのは、塩麹のおかげです。思わず「うまっ!」の言葉が飛び出します。
【材料】(2人分)
鶏もも肉...1枚(300g)
小麦粉...小さじ2
A 塩麹...小さじ2
ガーリックパウダー...小さじ1
塩...少々
揚げ油...適量
サラダ菜...1/2束
【作り方】
1 鶏もも肉は3㎝大に切ってポリ袋に入れ、小麦粉を入れてふってまぶしたら、Aも加えてもみ込む。
2 フライパンに揚げ油を170℃に熱し、1 を入れ、上下を返しながらきつね色になるまで揚げる。
3 器にサラダ菜を敷き、2 を盛る。
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取材・文/石井美佐 撮影/中野正景
村上祥子(むらかみ・さちこ)さん
料理研究家・管理栄養士。1942年、福岡生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。食材の持つ力で健康寿命の延伸を図る研究に関与する。