水だけで食べカスや口の中のバイ菌まですっきり洗い流せる、そんな画期的なうがいの仕方を知っていますか? その名も「毒出しうがい」は、テレビの健康番組やネットニュースで紹介され、大きな反響を呼んでいます。虫歯や歯周病の予防に効果的なだけでなく、動脈硬化、糖尿病、認知症などの病気をも遠ざけるというこの健康法を、書籍『歯科医が考案 毒出しうがい』からご紹介します。
歯みがき以上の効果が期待できる「毒だしうがい」
歯科医師である筆者は、「日本人の約9割は歯磨きが下手」と指摘します。特に歯と歯の間や、歯と歯茎との境目など、歯ブラシが届きにくいところは磨き残しがち。口内に残った食べカスは、バイ菌のエサとなってプラーク(歯垢)が発生。プラークは2~3日で歯石となり、やがては虫歯や歯周病を引き起こすとされています。
何とかプラークになる前に食べカスやバイ菌を除去する方法はないか。そうして生まれたのが、この「毒出しうがい」だといいます。
<毒出しうがいの基本手順>
1. 30mlくらいの水を口に含む
2. 口を閉じて、水を上の歯に向けて強く速くぶつける
3. 10回ぶつけたら、水を吐き出す
4. 同じやり方で、下の歯、右の歯、左の歯と分けて行う
口周りが少し疲れたと感じるくらいに強くぶつけるのがコツとのこと。この水圧を利用すれば、歯の表面はツルツルに、歯間に挟まった食べカスもすっきり洗い流せるそうです。
かかる時間はわずか1分ほど、うがいをした水は飲み込んでもOK。1日3回、食後に行うことで、歯磨き以上の予防効果が期待できるそうですよ!
口の中だけでなく、体全体も健康に!
近年、口の中のバイ菌は、虫歯や歯周病といった口内の病気だけでなく、体全体にも悪影響を及ぼすことが分かってきたそうです。それは、口の中のバイ菌が毛細血管から侵入し、全身にまわってしまうことで起こるといいます。
例えば、血管に入ったバイ菌が血管の壁に炎症を起こし、コブができると動脈硬化に。歯周病の人は、動脈硬化からはじまる脳梗塞や心筋梗塞になる確率が、そうでない人と比べて約3倍も高いといわれているそうです。また、歯周病になると、糖尿病になりやすいことも分かってきたとか。
歯周病を予防する「毒出しうがい」は、これらの病気の予防にもつながるというわけですね。早速、次の食事の後から始めてみませんか?
文/寺田きなこ
(照山裕子/アスコム)
誰にでも簡単にできて、虫歯や歯周病の予防効果が高いとされる「毒出しうがい」。動脈硬化、糖尿病、認知症などの病気まで遠ざけるという画期的なうがいの方法を、歯科医師が伝授します。