関節疾患の中でも、特に男性患者の多い「痛風」。成人男性の5人に1人は痛風の予備軍とされています。ビールが美味しくなるこれからの季節、痛風に悩まされないために発症するキッカケと予防対策について学んでいきましょう。
痛風は"プリン体"より"アルコール"に問題アリ
以前放送された「健康カプセル! ゲンキの時間」(TBS系)で、「痛風」について特集されました。痛風の痛みはどれくらいなのかを経験者にインタビューしたところ、「2本足歩行が不能になりました。例えようがありません」「寝ていれば布団のシーツが触るだけでも痛い」「激痛です」と相当な痛みが走る様子。出演者のガレッジセール・川田広樹さんは、痛風の疑似体験を検証しました。すると痛風に匹敵する痛みは、ムチで背中を思いっきり叩かれるレベルだと判明。痛みを体験した川田さんは「これがずっと続くと思うと地獄ですね」とコメントしています。
番組では、痛風の原因について紹介されました。痛風の原因といえば"プリン体"を思い浮かべる人が多いですよね。実はプリン体は人間が生きていく上で必要不可欠な成分。帝京大学・金子希代子先生は、話すためのエネルギーやケガが治るのもプリン体の働きによるものと解説していました。
では、一体何が原因で痛風になるのでしょうか。痛風の原因に大きく関与しているのが"尿酸"と"アルコール"です。尿酸とは体内や食物に含まれるプリン体が分解してできる化合物。通常は尿とともに一定量のバランスで排出されていきます。ところがアルコールには尿酸の生産を高め、排出までも妨げてしまう作用が。お酒を飲みすぎると、尿酸のバランスが崩れどんどん蓄積されていきます。尿酸の濃度が増えすぎてしまうと、いつ痛風になってもおかしくない状態に。
痛風のキッカケと予防対策
しかし尿酸が溜まるだけでは、まだ痛風は発症しません。尿酸は濃度が高くなると結晶に姿を変えます。結晶化した尿酸があるキッカケで剥がれた時に起こるのが痛風。そしてそのキッカケの代表的な例が"捻挫"と"突き指"です。また痛風を発症する原因の中には、「硬い靴を履く」、「ゴルフをする」なども。
ネット上でも「突き指したところが痛かったので病院行ったら痛風だった」「そういえば痛風になったとき捻挫してたな」などの声があがっています。何が原因で発症するかわからない痛風は、まさに爆弾を身体に抱えているようなもの。
さらに痛風は痛みだけでなく、肝臓機能障害や心筋梗塞などの合併症を引き起こす場合もあります。そこで番組では、痛風の予防対策が紹介されました。まず何より大切なのは正しい生活習慣を心掛けること。特に肥満を解消することが良いそうです。他にも水を1日2リットル飲む、海藻や野菜類の摂取、ウォーキングなどの有酸素運動も予防には効果的です。
痛風は心がけひとつで予防できます。想像を絶する痛みに襲われる前に、まずはできることから対策していきましょう。