水溶性食物繊維のほか、カリウムやヨウ素(ヨード)、カルシウム、鉄なども豊富に含む海藻。食卓に日々積極的に取り入れたい食材の一つです。
中でも、昔から日本人になじみ深い海藻が、わかめ。わかめは岩などに固着して葉を水中に伸ばし、長さは2mにも達します。葉の中心には主軸がありますが、この部分が茎わかめです。みそ汁や酢のものに使うのは左右に伸びた葉の部分です。
また、めかぶは茎のいちばん下の生殖細胞が集まった部位で、「わかめの根元」。ぬめりのあるネバネバは腸の働きなどを促します。
わかめとめかぶの栄養やおいしい食べ方を、料理研究家で管理栄養士の村上祥子さんが伝授します。
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■村上流 わかめ・ひじきのもどし方
乾燥品は倍量の水でもどします。塩蔵品は塩を洗い流し、水の中で4~5回振り洗いして、熱湯に10秒ほどつけ、冷水に取ります。すぐざるへ上げて固く絞ると、新鮮な食感を保てます。
【栄養】
わかめもめかぶも、ぬめり成分のアルギン酸やフコイダンなどの水溶性食物繊維が豊富で、ミネラル、IPA(イコサペンタエン酸)などの血液サラサラ効果のある不飽和脂肪酸も含まれています。
【保存方法】
乾物のわかめは常温で湿気のない場所で保存し、生や塩蔵品は冷蔵します。
「わかめペースト」を作ってみましょう
トーストに塗ったり、ご飯のお供や野菜のあえものに重宝する海藻の保存食。
冷蔵で1カ月、冷凍で1年間保存できます。
大さじ1あたり17kcal/塩分0.5g
【材料】(できあがり300g)
カットわかめ(乾燥) ...8g
水...1カップ
オリーブ油...大さじ1
にんにく(みじん切り) ...1/2片分
ちりめんじゃこ...10g
白いりごま...大さじ1
A しょうゆ...50ml
黒酢...50ml
砂糖...20g
【作り方】
1 わかめは水でもどし、ざるへ上げる。もどし水は取っておく。わかめをフードプロセッサーでペースト状にする。
2 鍋にオリーブ油とにんにくを入れて弱火にかけ、きつね色になったらじゃことごまを加え、弱火で2~3分炒める。
3 2 に1 のわかめともどし水、Aを加え、強火にかける。煮立ってきたらアクを取り、絶えず混ぜながら、中火で煮汁がなくなるまで煮詰め、火を止める。熱いうちに瓶に詰め、ふたをする。
取材・文/石井美佐 撮影/中野正景
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村上祥子(むらかみ・さちこ)さん
料理研究家・管理栄養士。1942年、福岡生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。食材の持つ力で健康寿命の延伸を図る研究に関与する。同大学内の「村上祥子料理研究資料文庫」では50万点の資料が一般公開されている。