イタリアでもおなじみ。「予備発酵なし青のりパン」レシピ

フコイダンなんどの水溶性食物繊維のほか、カリウムやヨウ素(ヨード)、カルシウム、鉄なども豊富に含み、古くから日本人の貴重なミネラルの供給源となってきた、海藻。日本人は世界で最も海藻を食べる民族としても知られています。

身近な海藻に「のり」がありますが、のりは食用とする紅藻(こうそう)類・藍藻(らんそう)類の総称。日本では、古くから食品として、藻類を加工した「生のり」や「板のり」などが食べられてきました。

あおさと青のりは緑藻類のアオサ目の水中藻で、水のきれいな河口近くや波の静かな湾内に育ちます。種類はたくさんありますが、市場に出回っているあおさ・青のりのほとんどは「ヒトエグサ」です。海水の富栄養化などで大量繁殖して公害を引き起こす「あおさ」とは別種類の藻です。

青のりはとろろやお好み焼きにかけるなど身近な食材。消費拡大に伴い、供給が間に合わず、あおさが代用として利用されるようになりました。現在では青のりの出荷量を上回っています。

のりを使った保存食やレシピを、料理研究家で管理栄養士の村上祥子さんにお聞きしました。

前の記事「微量栄養素を網羅する栄養食品! のりを使って「のりのつくだ煮」を作りましょう(3)」はこちら。

 

お吸い物やパンにも!
のりを使ったおすすめレシピ2品

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「高菜ののり吸い」

1人分42kcal /塩分1.2g
手軽にできるお吸い物です。焼きのりの香ばしさがごちそうです。

【材料】(2人分)
焼きのり...1/2枚
高菜漬け(みじん切り)...50g
赤とうがらし(輪切り)...2~3個
ごま油...小さじ1
砂糖...小さじ1
しょうゆ...小さじ2
水...300ml
白いりごま...少々
こしょう...少々

【作り方】
1 フライパンにごま油ととうがらし、高菜漬けを入れて強火で炒める。油がまわったら砂糖を加え、全体になじんだらしょうゆを回しかけ、水を注ぐ。
2 煮立ってきたらアクを取り、火を止める。
3 器に細かくちぎった焼きのりを入れ、2 を注ぎ、ごまとこしょうをふる。

 

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「予備発酵なし青のりパン」

1個分66kcal /塩分0.2g
イタリアではワインのお供や子どものおやつに、青のり入りのパンが愛されています。

【材料】(20個分)
粉青のり...大さじ2
強力粉...100g
ぬるま湯...70ml
オリーブ油...小さじ2
塩...小さじ1/5
砂糖...大さじ1
ドライイースト...小さじ1
揚げ油...適量

【作り方】
1 ボウルにぬるま湯とオリーブ油を入れ、塩と砂糖を加えて溶かしたら、ドライイースト
を加え、軽く混ぜる。
2 強力粉の1/2量を加え、泡立て器でなめらかになるまで混ぜる。残りの強力粉と粉青のり
を加え、ゴムべらでなめらかになるまで混ぜる。
3 フライパンに1㎝深さに油を注ぎ、火にかける。
4 油が温まらないうちに2 をスプーンですくってもう1本のスプーンで油の中に落とす。
全部入れたら中火にし、上下を返しながら、全体がきつね色になるまで揚げ、油をきる。

  

取材・文/石井美佐 撮影/中野正景

次の記事「ミネラル&食物繊維が豊富。ひじきで作る「ぶぶづれもどき」(5)」は近日公開こちら。

イタリアでもおなじみ。「予備発酵なし青のりパン」レシピ
<教えてくれた人>
村上祥子(むらかみ・さちこ)さん

料理研究家・管理栄養士。1942年、福岡生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。食材の持つ力で健康寿命の延伸を図る研究に関与する。同大学内の「村上祥子料理研究資料文庫」では50万点の資料が一般公開されている。

 
この記事は『毎日が発見』2018年4月号に掲載の情報です。

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