光老化や皮膚がん、白内障...。紫外線による慢性症状に今から注意を!

pixta_13520677_S.jpg日常生活、屋外での活動時、行動に合わせた紫外線対策を

気象庁は、2017年12月より、全国141地点で、日中の紫外線の強さを1時間ごとに公表するサービスを始めました。発表はインターネットで毎時間ごとに更新。詳しく知りたい地点を選べば、最新の紫外線レベルと今後の予測が把握できます。 紫外線のレベルは14段階に分割、それぞれ地図上で色分けされています。

実は、5月の紫外線量は真夏と大差ありません。「光に肌が慣れていない春から夏前は、ついつい紫外線を浴びてしまいがちなので、早め、早めの対策が重要です」と、上出良一先生。

地表に届く紫外線は、UVAとUVBの2種類。UVAは、 肌に急激な傷害を与える作用は低いですが徐々にダメージを与えます。肌の奥の真皮にまで侵入し、肌のハリや弾力を失わせてしわやたるみ、いぼなどの光老化の原因にも。

UVBは肌への作用が強く、短時間でも肌が赤くなるサンバーン(炎症反応)や、数日後に肌が浅黒くなるサンタン(色素沈着反応)を起こします。肌表面の表皮細胞やDNAを傷つけて、炎症やしみの原因になります。

紫外線による体への影響で特に気を付けたいのは、下にある「慢性の症状」。これらは正しい対策で進行を遅らせたり、予防が可能です。紫外線が強い時間帯の外出を避ける、外出時には日陰を歩くなどの他、春~夏は日焼け止めの利用も。日常生活では SPF30までのものを、山歩きや屋外活動の際は、SPF50程度のものを塗ります。帽子や日傘も効果的。ただし、厚着をしたり、黒色の日傘を差したりと、 日差しを意識するあまり熱中症のリスクが高まることもあるので注意が必要です。

また、サングラスは紫外線カット仕様で薄い色合いがおすすめです。 「実はビタミンDの生成には紫外線が不可欠です。そのため、 過剰な紫外線防御は体内のビタミンD不足を招きます。かといって、紫外線を多く浴びるほどビタミンDが増えるわけではありませんので、日光浴の必要はありません」(上出先生) 。

適度な紫外線対策を行った上 で、積極的に活動することが、健康と美容の秘訣です。

 

紫外線による健康への影響
【急性の症状】

●日焼け
日焼けには2種あり、サンバーンは、紫外線を浴びて数時間後から赤くひりひりとした炎症が起こり、2~3日で消えますが、日光に当たり過ぎると水ぶくれとなり皮がむけます。サンタンは、紫外線を浴びて数日後に皮膚が浅黒く変色し、これが数週間~数カ月続きます。

●紫外線角膜炎(雪目)
強い紫外線を目に受けたときに起こる急性の角膜炎症で、結膜(白目)の充血、異物感、流涙の他、ひどくなると強い眼痛を感じます。雪面など、特に紫外 線の反射が強い場所で起きる雪目が有名です。多くは24~48時間で自然と治癒します。

 

【慢性の症状】

●光老化
長年日光を浴び続けて、皮膚にしみやしわなどが現れること。年齢を経た人の顔や手の甲に見られるこれらの変化は、加齢による老化と思いがちですが、実は、 紫外線による慢性的な傷害によって生じる光老化の結果。適切な紫外線予防対策で防げます。

●皮膚がん
長年紫外線を受けることで、露出部の皮膚がんが増えています。中でも多いのは、早期皮膚がんの日光角化症と、放置すると皮膚が深くえぐれてくる基底細胞がん。早期の治療で、悪化を防ぐことができます。

●白内障
白内障の中でも、日本人に最も多い皮質白内障は、 紫外線との関係が知られています。治療は、混濁した水晶体を眼内レンズと置換する手術が一般的です。

 

取材・文/笑(寳田真由美)

<教えてくれた人>
大谷義夫(おおたに・よしお)先生

池袋大谷クリニック院長。群馬大学医学部卒業。九段坂病院内科医長、東京医科歯科大学呼吸器内科医局長などを経て2009年より現職。著書は『65歳からの誤嚥性肺炎のケアと予防9割の人は持病では死なない!』(法研)など。

この記事は『毎日が発見』2018年4月号に掲載の情報です。

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