多くの人が抱えているものの、原因や対策があまり正しく知られていないお腹の悩み。便秘だと思っているお腹の張りも、実は別の症状かもしれません。
便秘と思っていた症状はガス溜まり!?
昨年放送された「その原因、Xにあり!」(フジテレビ系)では、腸に関するさまざまな症状を特集しました。番組が訪れた東邦大学医療センター大森病院の渡邉利泰先生は「お腹の張りが便秘だと思って受診する人の半数は、腸内にガスが溜まっているだけ」とコメント。お腹が張ると便秘を疑いがちですが、実は別の原因があると指摘しました。
そもそもガスは、腸内細菌が食べ物を分解する時に発生します。発生後は、"蠕動(ぜんどう)運動"という腸周辺の筋肉が伸縮する動きによりおならとして排出。そのため、腸が動かないとガスが溜まりやすくなります。ネット上にも「お通じ来ないな... 腸蠕動運動を促進しなきゃ」といった声のほか、「お腹にガスが溜まりすぎてるみたいで、このままだと腸炎起こしますって言われた...」という経験談も。実際、腸にガスが溜まりすぎるとさらに大きな病を引き起こす危険が潜んでいます。
複雑な構造をしている腸はガスが溜まったままだと膨らんで硬くなり、蠕動運動が弱まります。蠕動運動が弱まると便秘につながるケースもありますが、便秘を起こすと腸内環境はさらに悪化。最悪の場合、腸閉塞や大腸がんを発症しかねないので注意しましょう。
寝ながらできるガス排出運動
とはいえ、人前でおならはできませんよね。先生は、家庭でできるガス排出運動"うつぶせゴロゴロ"を教えてくれました。やり方はシンプルで、お腹の下にクッションなどを敷き10分間うつぶせになるだけ。うつぶせの間は本を読んだりテレビを見てもよく、うつぶせが苦しいなら横向きでもOKです。さらに畳やフローリングなど、硬い床でやるとより効果が見込めますよ。
10分経ったらクッションを外し、左右に5回転しましょう。スペースがない場合は同一方向に1回転や半回転するだけでもOK。ゴロゴロすると腸内ガスが動き、より抜けやすくなります。うつぶせゴロゴロのポイントは寝る前に行うこと。実は、腸が活発で最もおならが出るのは就寝中。寝る前にうつぶせゴロゴロで腸を活発にすれば、就寝中のガス排出がより期待できます。
効果的なのは寝る前ですが、逆に食後すぐのタイミングはおすすめできません。気持ち悪くなったり胸やけを起こすことがあるので、避けた方がいいでしょう。スタジオでもうつぶせゴロゴロを実践したところ、和田アキ子さんは「老若男女問わず、お年寄りやお子さんでもできる」と太鼓判を押していました。
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食生活や運動など、腸にいい生活を心がけていてもお腹は張ることがあります。ガスが溜まっている場合はうつぶせゴロゴロで排出できるので、気になっている人は試してみては?