足の裏は歩いたり走ったりするたびに摩擦が起こり、どんどん角質が厚くなります。また、乾燥する季節や加齢によって新陳代謝が落ち、古い角質が溜まると、ガサガサかかとになりやすくなるのです。そんなかかとに病気が潜んでいる可能性もあるので、正しいかかとのケア方法と、病気の見つけ方を美容皮膚科医の工藤清加先生に教えてもらいました。
見た目は普通でもかかとの角質に水虫菌が
足は床に触れたり、靴の中で蒸れたりするので、雑菌がたくさんたまってしまいます。そして、いつの間にか病気にかかっていることがあります。代表的な病気は水虫です。水虫菌は角質が大好き。かゆみや水泡といった症状かなく、全く「普通」に見えるかかとの角質に、水虫菌が巣くっていることがあります。
また足の裏をよく観察してプチッと小さく、黄色い水が入っている水ぶくれがあった場合にも、皮膚科を受診しましょう。多少皮膚が荒れているだけに見えても、「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」という病気かもしれません。
他に、厚くなった角質がひび割れて、あかぎれを起こして痛みがある場合にも皮膚科を受診しましょう。ひび割れで痛みがあるなら、角質の下の真皮まで傷がついている状態だと考えられます。足の傷口には雑菌が入りやすいので注意が必要です。 医療機関で適切な治療を受けることをおすすめします。
厚い角質を削るのは数日かけて少しずつ
厚くなり過ぎた角質を削りたいときには、電動式の角質リムーバーを使用するとよいでしょう。 入浴後、タオルで水気を拭いた状態で、目の細かいリムーバーを力を入れずに皮膚に当てます。何年もかけてたまった角質は一気に削らず、数日をかけて根気よく減らしていきましょう。角質が急に薄くなると、クッションがなくなったために痛みが出てしまいます。
また必要な角質までをも落としてしまうと、体が早く角質を作ろうとして、細胞の核が完全になくならないままの「不全角化」が起こります。 不全角化の皮膚は、ボロボロと落ちやすい上、なかなか治りません。理想は、皮膚に極端なこわばりや、かさつきのない状態。ちょうど良い状態になったら、その後は週に1度のケアを習慣にします。
カサつきを感じたら一晩のラップパックで睡眠中にしっかり保湿
1 ローションとクリームでケア
2 ラップで覆います
夜、睡眠前は、しっかりと保湿するチャンスです。ローションとクリームでケアをしたら、キッチンで使っているラップでかかとを覆 います。
3 靴下で押さえます
ラップがはがれないように靴下をはいて上から押さえ、寝ます。靴下をはいて寝るのが苦手な人は、先の部分をはさみで切った「かかとソックス」を作ってはくとよいでしょう。
取材・文/三村路子 イラスト/角しんさく
<詳細はコチラ>
「かかとがひび割れてひどく痛みます。水ぶくれも出てきました」/見逃さないで未病のサイン(1)」はこちら。
「かさついたかかとは"ラップパック"で復活!/見逃さないで 未病のサイン(2)」はこちら。
工藤清加(くどう・さやか)先生
美容皮膚科医。六本木わかばクリニ ック院長。総合病院にて皮膚科、内科の研究を経て、現職。患者主体の丁寧な診察と分かりやすい価格設定をモットーに美と健康をサポート。著名人からの指名も多数。オリジナル調合のドクターズコスメの開発も。