免疫力を高め、スタミナ食材として昔から食べられてきた「にんにく」。実は、驚くほど体によい栄養素を含んでいます。毎日、少しずつにんにくを摂ることは、健康を維持し、疲れない体づくりに役立ってくれます。
そのまま食べるのはなかなか難しいですが、保存食にすれば簡単に摂れておすすめ。さまざまな料理へのアレンジも自在です。料理研究家で管理栄養士の村上祥子先生に、簡単に作れる保存食のレシピや活用メニューを教えてもらいました。
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ひと垂らしでいつもの料理が風味アップ!
オイルにんにく
にんにく特有のにおい成分で、さまざまな働きで健康に貢献してくれる「アリシン」は揮発性の成分。オイルの中に閉じ込めておくと健康効果が持続します。
常温で1年間保存可能
小さじ1(5g)当たり25 kcal 塩分0g
【材料(できあがり190g)】
にんにく...1個(正味100g)
オリーブ油...100ml
※他の油でもよいが、不飽和脂肪酸のオレイン酸が多いオリーブ油がおすすめ。
【作り方】
1 にんにくの皮をむいてみじん切りにする。フードプロセッサーにかけてもOK。
2 瓶に入れ、ラップをして電子レンジ600Wで1分加熱する。
3 オリーブ油を注ぎ、ふたをする。12時間後から食べられる。
MEMO
・ にんにくは粒のまま漬けてもよい。作る手順は皮をむき、2、3は同じ。粒のままの場合は2週間後からおいしくなる。
・ 粒はそのまま食べるのもおすすめ。
・ オリーブ油の劣化を防ぐため、太陽光も室内灯も当たらない暗所か冷蔵庫に保存する。
・ 取り出すときは乾いたスプーンか箸を使う。
「あさりの蒸し煮」
1人分61kcal/塩分1.7g
【材料(2人分)】
あさり(砂出ししたもの)...300g
オイルにんにく(みじん切り)...小さじ2
白ワイン...大さじ2
【作り方】
1 あさりは殻をこすり合わせるようにして洗い、ざるへ上げる。
2 フライパンにオイルにんにくを入れ、弱火で炒める。にんにくが色づいてきたら1を加え、白ワインを入れ、あさりの口が開いたら火を止める。
「ブロッコリーのペペロンチーノ」
1人分430kcal/塩分0.9g
【材料(2人分)】
スパゲッティ(乾燥)...150g
ブロッコリー...200g
オイルにんにく(みじん切り)...大さじ2
赤とうがらし(輪切り)...小さじ1
こしょう...少々
【作り方】
1 ブロッコリーは小房に分ける。
2 湯1.5L(分量外)を沸かし、塩大さじ1(分量外)を加え、スパゲッティを入れ、表示時間に合わせて強火でゆでる。表示時間の1分前に、1を加えてゆで、湯をきったら鍋に戻す。
3 フライパンにオイルにんにくを入れ、弱火にかける。にんにくがきつね色になったら
赤とうがらしを加えて炒め、火を止める。
4 2の鍋に3を加えて混ぜ、こしょうをふる。
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取材・文/石井美佐 撮影/中野正景
村上祥子(むらかみ・さちこ)さん
料理研究家・管理栄養士。1942年、福岡生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。食材の持つ力で健康寿命の延伸を図る研究に関与する。同大学内の「村上祥子料理研究資料文庫」では50万点の資料が一般公開されている。