花粉症とアレルギー性鼻炎の違いって?/花粉症最新治療(2)

花粉症の人にとって、春先はつらい症状に悩まされる季節。花粉症は、花粉によって 起こされるアレルギー疾患で、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が現れます。
日本医科大学大学院医学研究科頭頸部・感覚器科学教授で、花粉症治療、特に舌下免疫療法の研究・治療に当たっている大久保公裕先生に、その原因などをお聞きしました。

前の記事「花粉症の原因は免疫機能の過剰な反応です/花粉症最新治療(1)」はこちら。

 

【花粉症の人の体内で起こっていること】

1 花粉が花や口、目から入ってくる。

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2 体の免疫機能が働いて花粉を異物と認識し、体内でIgE(アイジーイー)抗体(抗体とは、異物を感知して捕らえるセンサーのようなもの)がつくられる。IgE抗体は、鼻の粘膜や目の結膜にあるマスト細胞と結合する。

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3 IgE抗体とマスト細胞が結合した状態で、花粉が再び体内に入ってくると、花粉とIgE抗体が結合する。すると、花粉を排除しようとして、マスト細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出される。

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4 ヒスタミンなどの化学伝達物質が知覚神経や自律神経、血管、分泌腺などを刺激し、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が現れる。

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「花粉症」と「アレルギー性鼻炎」の違いって何が違うの?

アレルギー反応によって症状が現れる病気をまとめて「アレルギー疾患」といいます。「アレルギー性鼻炎」は、症状を引き起こす原因物質(アレルゲン)の種類によって「通年性アレルギー性鼻炎」と「季節性アレルギー性鼻炎」に分けられます。花粉症は季節性アレルギー性鼻炎です。

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夏や秋に起こる花粉症もあります

スギ花粉が飛散する時期には、ヒノキやハンノキ、シラカンバという樹木の花粉も飛散しています。ブタクサやヨモギ、カナムグラという草の花粉は、夏から秋に飛散しています。イネ科の雑草も花粉を飛散させ、花粉症を引き起こします。

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●花粉症の原因になる主な植物と花粉の飛散時期

※花粉の飛散時期は地域によって異なります。上のカレンダーは全国の標準的な飛散時期を示しています。

  

次の記事「くしゃみ、鼻水、目のかゆみ...症状別・主な花粉症の薬/花粉症最新治療(3)」はこちら。

取材・文/髙森千織子  イラスト/やまだやすこ

花粉症とアレルギー性鼻炎の違いって?/花粉症最新治療(2)
<教えてくれた人>
大久保公裕(おおくぼ・きみひろ)先生

日本医科大学大学院医学研究科頭頸部・感覚器科学教授。日本医科大学付属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科部長。日本医科大学大学院耳鼻咽喉科修了。米国立衛生研究所(NIH)に留学後、日本医科大学医学部准教授を経て現職。花粉症治療、特に舌下免疫療法の研究・治療に当たっている。

 
この記事は『毎日が発見』2018年2月号に掲載の情報です。

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