「auのほけん」を提供するKDDI株式会社が、「女性の将来への備えに関する調査」を行いました。1月12日公開されたアンケート結果によると、約8割の人が、生涯でがんに罹患する確率を、実際よりも低く見積もっていることがわかりました。がんは、誰でも患う可能性がある死亡率の高い病気ですが、まだまだどこか他人事に捉えている人が多いようです。
がんの正しい罹患率を知っていたのは約1割
調査によると、がんなど大きな病気に備え始める平均年齢は40.5歳。がんになる確率は50歳頃から増加するので、40代に入った頃から生活習慣を改善したり、健康診断を定期的に受けるようにしたりなどなど、健康へ配慮する人が増えるようです。
KDDI株式会社「女性の将来への備えに関する調査」より
KDDI株式会社「女性の将来への備えに関する調査」より
一方でこの調査からは、がんについて多くの人が正しい認識を持っていないことも明らかになりました。国立がん研究センターの発表によると、生涯でがんに罹患する確率は、男性62%、女性46%で、男女共に約半数の人はがんにかかる、と言われています。アンケート結果では、正しいがん罹患率を知っていたのは、わずか13.2%。ほとんどの人が、実際の罹患率よりも、がんにかかる可能性を少なく見積もっていました。
KDDI株式会社「女性の将来への備えに関する調査」より
自分ががんにかかるなんて、考えたくもないかもしれませんが、現実は厳しいものです。がんにかかるのを防ぐ、もしくは初期がんのうちに対処するためには、しっかりと"自分ごと"としてがんと向き合う必要があります。
もしものときに後悔しない行動を
女性ががんにかかる部位で最も多いのが、乳房です。2017年のがん統計予測では、乳がんの罹患数は約9万人となっており、女性のがん罹患数の約2割を占めています。調査でも半数以上の人が「最近1年以内に乳がん検診の必要性を感じた」と答えています。
KDDI株式会社「女性の将来への備えに関する調査」より
ところが、実際に「乳がん検診を受診した」と答えたのは38%で、6割以上の人は健診を受けていませんでした。自分で乳房にしこりなどがないか調べられるセルフチェックの方法もありますが、最近1年以内に行ったという人は半数以下。リスクを頭ではわかっていても、実際の行動にまで起こして、備えている人は少ないようです。
KDDI株式会社「女性の将来への備えに関する調査」より
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検診を受けなかった理由を見ると、「金銭的な負担が気になる」人が36.1%とトップでした。次いで「面倒だと感じる」が30.6%と高く、この2つが検診を受けない理由の大半を占めているようです。注目は「自分の年齢で検査を受けるべきかわからなかった」で、30代では37.4%と、かなり高い数値を記録しています。
KDDI株式会社「女性の将来への備えに関する調査」より
乳がん検診で、自己負担してもよいと考えている金額は、「1000円~2000円未満」、「3000円~4000円未満」がツートップです。次いで「5000円~6000円未満」、「2000円~3000円未満」と続きますが、8.6%は「10000円以上負担してもよい」と考えているようです。
国立がん研究センターの統計でも、がんの罹患率は50歳代から増加するとありますが、あくまでデータからの分析でしかありません。30代後半から40代は、男性よりも女性のほうが罹患率が高いというデータもあります。
がんはすべての人にとって、決して無関係の話ではありません。気が付いた時には、重度にまで進行していることもよくあります。患ってから後悔しないために、健診を受けるなど、今からでもできることを始めていきましょう。
文/大内なつき