生よりスグレモノ!さば缶は栄養いっぱい/さば缶活用レシピ(1)

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さば缶は、DHAやEPAといった認知症予防に効果的といわれる成分をたくさん含んでいる優秀な食材です。しかも生のさばを調理したときよりもしっとりとしているので、とても食べやすく、飲み込みやかむのが難しくなった方にもとてもお勧め。料理の際も調味料いらずで、捨てる部分がないなど、いいことずくめ。食材の一つとして考えて料理に活用すると、メニューの幅をグッと広げてくれるうえ、体も大喜びです。

・DHA・EPAほか、栄養たっぷり
・おいしい・保存がきく
・栄養丸ごとで逃がさない
・しっとりジューシー、食べやすい
・加熱済みなので時短・調味いらず
・お財布に優しい・廃棄がなくエコ


生よりスグレモノ!! 栄養たっぷりのさば缶

缶詰のさばは、同量の生のさばよりも多くの栄養を含んでいます。

DHA

n-3系の多価不飽和脂肪酸DHA(ドコサヘキサエン酸)は、さばの皮の下に豊富で、脳や神経の情報伝達に深くかかわっています。DHAを積極的にとると、脳の情報伝達をスムーズにして老化のスピードをゆっくりにし、認知症予防に効果的であることが知られています。

ロイシン

昨今の研究では必須アミノ酸のロイシンの含有量が高い食事ほど、筋肉量もアップすることが明らかになっています。加齢とともに減っていく筋肉を落とさないようにすると腰痛や骨折を防ぎ、結果、ロコモティブシンドローム予防になります。

ビタミンD

さば缶に豊富なビタミンDは骨の形成を促進します。欠乏すると骨軟化症を引き起こすほか、背骨・脚の骨が曲がったり、骨粗鬆症の原因にも。また、カルシウムの神経伝達や筋肉の収縮という重要な働きを安定的に保つために役立ちます。

EPA

DHAと同様に、さばの皮の下に多いn-3系の多価不飽和脂肪酸EPA(エイコサベンタエン酸。最近ではIPAとも呼ぶ)は、狭心症、心筋梗塞など、いわゆる血管病(血管が病的に収縮する血管攣縮)の予防や治療に最適であるというエビデンスが発表され、注目を集めています。

ビタミンB12

ビタミンB12は「赤いビタミン」とも呼ばれ、神経や脳の機能を正常に保つ働きがあり、健康維持に欠かせないビタミンです。100g当たりに含まれるビタミンB12は、生さば2.9μgに対し、さば缶(水煮)19.0μg(缶汁も含む)とアップします。

ナイアシン

ビタミンB群の一種でエネルギー代謝の補酵素として活躍するナイアシンは、多くの食品に広く含まれ、熱に強いので加熱済みのさば缶にも豊富に含まれています。魚や肉はナイアシンの合成原材料であるトリブトファンも多く含むので、一石二鳥です。

次の記事「体ぽっかぽか「マカロニグラタン」」はこちら。

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<教えてくれた人>
村上祥子(むらかみ・さちこ)さん
料理研究家・管理栄養士。1942年、福岡生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。食材の持つ力で健康寿命の延伸を図る研究に関与。同大学にある「村上祥子料理研究資料文庫」で50 万点の資料が一般公開されている。公式ホームページ http://www.murakami-s.jp/
 
この記事は『毎日が発見』2016年11月号に掲載の情報です。

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