食事を変えると、集中力が上がりミスが減る。残業が無くなる。疲れにくくなり眠くならない。ストレスが無くなる。体が締まりカッコよくなる。そして仕事が楽しくなる!
体のマネジメントには、仕事と同じように「成功法則」があるのです。
書籍「稼げる男は食事が9割」で、正しい食事の知識を学んでいきましょう。
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目の前の食べ物を我慢できる方が凄いこと
過去にもこういう相談をされてくる方がよくいらっしゃいました。
「週に2日はフィッネスクラブで1時間スイミングをしたり、顔から汗がしたたり落ちるほどエアロバイクをこいでいるのに、全然体重が減らないのはどういうわけですか」
そんな方に、運動したあとの食事を聞いてみると、普段から晩酌でビール1杯は必ず飲むだけでなく、ジムで運動をした日は汗をかいた気持ちよさから、1杯追加して2杯ビールを飲んでいるとのことでした。これでやせるのは非常に難しいのは当然です。
その方からしたら「あんなに運動したんだからビール1杯くらい大丈夫でしょ」という気持ちになってしまうほどの達成感なのでしょう。確かにフィットネスジムでの運動は風がないのもあって汗をたくさんかきますから、達成感は大きいでしょう。
しかし、ビールのカロリーは350㎖で約150㎉。糖質は10g程度ですが、2杯飲めば頑張ったエアロバイクの消費カロリーを帳消しできるくらいの攻撃力です。
"運動を全くせずに飲むよりはマシ"という考えもありますから、それも否定はできませんが、逆にいうと"運動しなければ1杯以下で飲まなくても済むかも"ということも一つ考えられます。運動しているという安心感の免罪符が、過剰な欲求を生むということは、私の指導経験上からもかなりあるといえます。
運動しているという達成感や安心感が油断となり、減量するために抑えていた食べることへの欲求がいっそう高まってしまう......運動への過度の期待と過信が、逆の誤解を生むのです。
"食べた分は動いて稼げ"というのは、まるで馬車馬のように低賃金で働かされるワーキングプア層のような考えです。稼げる男として、この考えは賢明とはいえません。
小腹が空いているときに、空腹を解消しようとスナック菓子などをつまむと、かえって食欲が増してしまったという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
人も動物ですから、目の前に食べ物があるとそれを食べたくなるのが通常。本来は理性によって自制していても、一口食べればタガが外れて食べてしまうのです。特に、メタボな人の場合、普段から食べすぎの傾向にあるために食欲が高まっています。
それを無理に抑さえ込んでダイエットしている状態であれば、運動した達成感や安心感で食べたいという欲求がよりいっそう高まってしまうという"食欲地獄"に陥りやすいことを知っておいてください。
ビジネスにおいても、収入に合わない浪費癖がある......という人は、借金をしてでもほしいものを手に入れようとしたりしますし、ギャンブルにハマる人はさらにその傾向が強いようにも思います。このような状態と、自分の普段の活動量や運動量、それに合わせた摂取量のバランスがとれず、欲するがままに食べてしまう行為は非常に似ていて、感覚が狂った病的な状態であるともいえます。
正しい知識や自分自身を客観視することは、ビジネスにおいてはもちろんですが、私生活においても当然必要になってくるスキルなのです。もしお腹のでたメタボ体型の上司に「上手くいかなかった原因を追求しろ!」などと言われても、その言葉をそのままその人のお腹に突き返したいものです。
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森 拓郎(もり・たくろう)
1982年生まれ。株式会社rinato 代表取締役。
フィットネストレーナー、ピラティス指導者、整体師、美容矯正師。
中京大学体育学部卒業後、地元の自動車ディーラーで営業成績トップを獲得し、その後パーソナルトレーナーになるために上京。大手フィットネスクラブの個人売上トップを獲得し、自身のスタジオを2009年にオープン。
ファッションモデルや女優など、身体を資本とした女性などを中心に、ピラティス、整体、美容矯正など足先から顔までのボディメイクを指導。メディア出演、記事監修、指導者育成なども行う。
『稼げる男は食事が9割』
(森 拓郎/KADOKAWA)ベストセラー『ダイエットは運動1割、食事9割』の著者が初めてビジネスマンのために書いた「稼げる男」になるための食習慣。「食事は自分への投資」という事実を理解する事からはじめる、誰でもできる食事法とは?