AGE(終末糖化産物)は美肌の敵! 「糖化は老化」と覚えておきましょう

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AGEとは終末糖化産物、すなわち「タンパク質と糖が加熱されてできた物質」のこと。老化を進める原因物質で、強い毒性を持つとされています。老化は肌のシミやシワだけでなく、体の内部でも着実に進行します。糖化と美肌の関係について、旭川皮フ形成外科クリニック院長の水野寿子先生に聞きました。

  

Q1.老化の要因は何ですか?

A.日常生活の中で、主食として毎日摂取しているお米やパンは、生命活動を営む上でのエネルギー源で、なくてはならないものとして誰もが認識しています。これらの主成分はデンプンと呼ばれ、消化器管で分解され体内に吸収され、細胞のエネルギー源として利用されます。これらは「糖類」として総称されます。

近年、老化に関する研究の中で注目を集めているのが、〝AGE(終末糖化産物)〟という物質で、タンパク質と糖が加熱されてできたものです。血中の糖が過剰になってあふれ出すと、人間の体の細胞や組織を作っているタンパク質に糖が結びつき、体温で熱せられ〝糖化〟が起こります。初期の段階で糖の濃度が下がれば元の正常なタンパク質に戻りますが、高濃度の糖が長い期間さらされると、毒性の強い物質に変化してしまいます。

AGEは内臓脂肪を悪玉化し、血糖値を上昇させます。血糖値が上昇するとAGEが発生しやすい環境が作られ、悪循環が生まれます。肌においては、タンパク質であるコラーゲンなどの成分は、長い歳月、体温などで加熱され糖化が進みます。紫外線の影響も受けて変質し、シワやたるみ、シミを発生させるのです。コラーゲンは体のいろいろな所に存在し、糖化するとさまざまな弊害が起こります。血管では弾力が失われ動脈が硬化し、また、血栓ができやすくなります。骨のコラーゲンが糖化すると、骨の強度が下がり、骨粗鬆症になります。目では水晶体に含まれるクリスタリンというタンパク質が糖化すると、紫外線による影響も加わって水晶体が白く濁り、白内障を起こします。糖尿病では赤血球のタンパク質であるヘモグロビンが糖化すると、神経障害、網膜症、腎不全などを起こす可能性があります。

  

Q2.糖化を防ぐにはどうしたらいいのですか?

【栄養素が血糖に変わる割合と時間】

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炭水化物だと摂取した量の全てが、短時間で血糖に変化する。タンパク質は半量程度がゆっくりと3時間くらいで血糖に変化し、脂肪は12時間ほどかけて1割弱の量しか血糖にならない。

A.AGEを体内で発生させないことです。そのためには、血糖値を高くしないことが重要です。炭水化物は100%、タンパク質は50%、脂肪では10%未満、血糖に変化します。炭水化物≒糖分は、タンパク質や脂肪と比べてすぐにエネルギーに変換されます。炭水化物は血糖値が上がりやすい栄養素なので、とりすぎないことが大切です。

糖分といっても甘いものばかりではありません。ご飯はもちろん、せんべいやうどん、パスタやパンなどの炭水化物も、ほぼ100%糖分であることを認識してください。また、注意としては、ほとんどの魚、肉は糖質がですが、その加工品には糖質がたくさん含まれています。練り物、ハム、缶詰等は必ず原料のつなぎとして糖質が使われています。イモ類や揚げ物の衣にも糖質が含まれるので注意してください。

1.よく嚙みゆっくり食べる
早食いはいけません。血糖値を急激に上げてしまいます。食事には少なくとも20分はかけてください。

2.野菜 魚 肉(ちょっと多めに) 主食の順番で
食べる順番は、主食が最後で控えめに。食物繊維を多く含む野菜やきのこ、海藻類を最初に食べることで糖質の吸収を抑えることができます。外食の際は丼物などの単品ではなく、副菜の付く定食メニューがお勧めです。

3.腹八分目を心がける
血糖値の上昇によって満腹中枢が刺激されることで、「満腹だ」と感じます。満腹だと血液の中に糖があふれ出し、AGEが作られてしまいます。

4.甘いものは食後に
砂糖や果糖は体内に吸収されやすく、血糖値を急激に上昇させます。どうしても食べたいときは、間食ではなく、食後に食べましょう。

  

Q3.食事由来のAGEとは何ですか?

A.食べ物として、体外から取り込まれてしまうAGEのことです。「タンパク質と糖が加熱されてできた物質」はいろいろな飲食物の中に含まれています。きつね色にこんがり焼けたホットケーキやコロッケなどの色は、〝糖化〟を表します。「焼き色がついた食品は、AGEが多い」と覚えてください。

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卵の蛋白質が高温で加熱され、糖と結合してAGEが発生する。

飲食物に含まれるAGEの一部は消化の段階で分解されますが、約7%は排せつされずに体内にたまってしまいます。調理方法によってAGE量は変化します。生野菜や刺し身など生の食品にはほとんど含まれませんが、高温で調理したものは含有量が高くなります。オーブン調理や揚げるなどの高温調理よりも、煮る・ゆでるなどの湯(最高でも100℃)を使った比較的低温の調理方法を取り入れる工夫をしましょう。

  

水野 寿子(みずの・ひさこ)先生
<教えてくれた人>
水野 寿子(みずの・ひさこ)先生
医学博士。旭川皮フ形成外科クリニック院長。旭川医科大学を卒業後、北里大学形成外科に入局し、外科や救急・麻酔科などを経験。美容クリニックでの勤務を経て、2003年、女性のさまざまな悩みをトータルに診療できる品川イーストワンスキンクリニックを開業。惜しまれつつ2015年3月、同クリニックを閉院。両親の介護のため北海道・旭川に拠点を移す。日本形成外科学会認定医。美容外科学会会員。美容外科医師会会員。美容医療協会会員。問:旭川皮フ形成外科クリニック 0166-74-8921
この記事は『毎日が発見』2015年12月号に掲載の記事です。

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