
『体の不調をすべて解決する 絆創膏を貼るだけ整体』 (山内義弘/KADOKAWA)第1回【全9回】
年齢とともに増える体の不調。でも病院に行くのは億劫だし、マッサージも頻繁には行けない...そんなお悩みを抱えていませんか? 本書『体の不調をすべて解決する 絆創膏を貼るだけ整体』(KADOKAWA)は、特別な道具も難しい知識も一切不要な、理学療法士の山内 義弘氏が考案したメソッドを紹介。特定の場所に絆創膏を貼ることで、体が本来持っている回復力を引き出し、不調を和らげることができるのだとか。肩こり、腰痛、ひざの痛み、頭痛、めまい、不眠など、気になる体の悩みに幅広く対応しており、イラストでわかりやすく解説されているので、誰でもすぐに実践できます。「貼るだけ整体」で、あなたらしい活動的な毎日を取り戻しましょう!
※本記事は山内 義弘(著)による書籍『体の不調をすべて解決する 絆創膏を貼るだけ整体』から一部抜粋・編集しました。
痛みやこりの発生には知られざる要因が!
関節を覆う膜( ファシア) とセンサーとは?
骨折をしたり関節に変形が起きると、当然痛みが発生します。しかし、肩こりや腰痛など、骨や関節に問題がなくても痛みを抱えている方はたくさんいます。それはなぜでしょうか?

骨と骨のつなぎ目にある関節には、それを覆い囲っている関節包という膜(ファシア)があります。そして、その膜の中にはセンサーが埋め込まれています。
そのセンサーの役割は大きく3つあります。
1つ目は関節がどの位置にあるか、どれだけ曲がっているか、または伸びているかを感知する「位置センサー」。2つ目は、どのぐらいのスピードで動いているかを感じる「加速度センサー」。3つ目は関節がどれほどの負荷で伸ばされているかを感じる「牽引センサー」です。
この3つのセンサーがあるからこそ、私たちは滑らかに関節を動かすことができるのです。
例えばひざを伸ばすときは、脳から筋肉に「動きなさい」という命令を出して、それが神経を伝わって筋肉に伝達をします。
神経は、体中に網目のように張り巡らされており、脳から筋肉への命令があって、初めて筋肉を動かすことができます。
そして、そのときにひざの関節がどの位置にあって、どのスピードで動いているか、そういった情報を瞬時に受け取って命令を伝えています。
ですから、そのセンサーがうまく働かないと、脳が正しい関節の位置やスピードの情報をキャッチできずに、それらを無視した筋肉の命令を出してしまいます。関節がデタラメに動かされて正しく動かされなければ痛みを引き起こされてしまうのも当然ですよね。
つまり、私たちが動いたときに生じる痛みのほとんどは、このセンサーの働き不足が原因なのです。
肩こりや腰痛もセンサーの働き不足
肩がこったり、腰が痛くなったり......。ひざが痛いなど、みなさんも、さまざまな痛みに悩まされていると思います。
もちろん、痛みの原因には筋肉がこり固まっていたり、神経の伝達に問題があるなど、いくつか原因が考えられますが、私がこれまで患者さんを見てきた中で、痛みの85%がいまお話をしたセンサーの不具合が原因であると言えます。
例えば「首がこっている、痛い」という場合、もちろん筋肉がこり固まってはいますが、その大元をたどると、出だしは関節のセンサーの働き不足が原因です。
首が動くときは、骨(頭蓋骨)と骨(第一頸椎)のつなぎ目である関節(環椎後頭関節)をはじめとして、いろいろな関節を必要とします。
しかし、センサーの働きが悪いと、脳は筋肉に正しい命令を伝えられなくなり、関節は無理やり動かされてしまい、結果として痛みやこりが発生するのです。








