毎日、笑っていますか? "ホッホッハッハッ"で元気に!
ストレスの多い現代社会ですが、皆さん、毎日笑っていますか? 「試しに『ハッハッハッハッ』と声を出して15秒ほど笑い続けてみてください。体に変化を感じませんか? 体がポカポカしてきたなら、それは血流が促進されたからです」と、日本笑いヨガ協会代表の高田佳子さん。
笑うことはとても効果的な有酸素運動であり、笑いは免疫力を高めたり、血糖値を下げたりする力があるとされると、高田さんは言います。笑いは手軽に心も身体も元気にしてくれる健康法の一つかもしれません。そこでご紹介したいのが、高田さんが考案した「笑トレ」です。
高田さんは、インドで笑いの体操と、ヨガの呼吸法を組み合わせた「笑いヨガ」を学び、日本全国でその普及活動をしています。その運動効果をさらに高めたものが、笑トレです。
笑トレは、笑いを"呼吸"と捉えて、筋トレやストレッチなどの運動と組み合わせたものです。運動神経や体力に自信がなくても、家で簡単にできるうえ、道具が不要なのも魅力です。
「私たちは面白い、楽しいなどと感じて〝笑う〟という行動をとります。笑う動作につながる感情なしで笑うことは、難しいと感じます。しかし、「笑トレは、無理に笑おうとする必要はありません。吐く息に『ハハハ』と足すだけです」と高田さん。
「声を出すと声帯が動きますが、胸筋や腹筋、横隔膜も動きます。『ハハハ』と足すだけで、笑うためのそれらの筋肉を全て一度に動かすことができます。せっかくですから笑顔にして、口角を上にあげてみましょう。
そうすることで脳は"笑った"と錯覚してくれ、ストレスホルモンであるコルチゾール値が下がります。笑う動作の運動をするだけで、楽しくて笑ったときと同じ生理的変化がおき、笑いの健康効果が得られますよ」
高田さんは、笑うときに使う胸筋や腹筋、表情筋、声帯、横隔膜を〝ゲラゲラ筋〟と名付けているそうです。
「ゲラゲラ筋のほとんどが呼吸筋でもあるので、ゲラゲラ筋をしっかり動かして横隔膜の動きを良くすることで、血液循環が良くなります。すると、酸素と栄養が全身に行き渡り、気分も爽快に。また、自律神経が整うことから、日々の生活が快適になります。私自身は、ひどい肩こりや冷え、不眠がなくなりました。毎朝一緒に笑っている友人は、耳鳴りと便秘が改善し、肌のつやも良くなったといいます」
次の記事では、高田さん考案の笑トレをご紹介します。毎日数分でいいので試してみてください。
次の記事「「ゲラゲラ筋」は使わないと衰える! まずは笑トレ準備運動(2)」はこちら。
取材・文/中沢文子 撮影/奥西淳二
高田佳子(たかだ・よしこ)さん
1958年兵庫県生まれ。日本笑いヨガ協会代表。桜美林大学大学院老年学専攻博士前期課程修了。阪神淡路大震災をきっかけに笑いと健康の研究を始める。インドで笑いヨガを学び、「笑いケア」「笑トレ」など独自の方法を開発。