健康長寿の秘訣は「バランスのとれた食事」と「適度な運動」。中でも「食事」の塩分摂り過ぎは、どうしても塩分多めになりがちな和食中心の日本ならではの課題といわれています。そこで、ラクにおいしく減塩できる"100年朝食プロジェクト"を、順天堂大学とカルビー「フルグラ」が始動。予防医学の重要性をご紹介します。
前の記事「プロゴルファー・中嶋常幸氏が語る「いつまでも現役でいるための理想の朝食」とは?」はこちら。
和朝食をフルグラに変えるだけで食塩量は8分の1に!
健康で長生きするために、すぐにでも取り組みたい減塩対策。プロゴルファー・中嶋常幸さんもアスリートとしての体調管理に、減塩を意識しているといいます。「食事時間が不規則になるツアー中は、朝食に和食はとらない」。この発言に大きくうなずいたのが、天皇陛下の執刀医としても知られる順天堂医院 院長の天野 篤先生。
「朝食の見直しは、非常に大事です。一番身近でアクションを起こしやすい。排便やその後の活動など1日のリズムをつくるためにも"朝食革命"は重要です」
例えば、和食の場合。白米150g、焼き鮭1切れ、味噌汁といったおなじみの朝食メニューで食塩量は4.0g。洋食の場合でも、パン6枚切り1枚、ハム2枚、ゆで卵、コーンスープというメニューで食塩量は2.7g。パンにバターを塗ったりすると、さらに食塩量はアップします。
「これをフルグラ(一食あたり50g)&牛乳に変更するだけで、塩分は0.5gに減らせます。実際、私も試してみましたが、多くの世代に受け入れられると思いますし、無理なくおいしく続ける減塩対策には非常に有効だと実感しました」と天野先生。
朝食をとらないと糖尿病発症率は2倍に
では、朝はもっと寝ていたいし、余分な塩分も摂らずにすむから朝食をとらなければいいのでは? と考えるのは、もってのほか!
「国民健康栄養調査によると、日本人男性の14.4%、女性の9.8%が朝食を欠食しています。そして、朝食欠食者は、朝食摂取者と比較して糖尿病発症率が2倍にはねあがるという調査結果が発表されています」と、順天堂大学医学部内科学教室・循環器内科学講座 准教授の土肥智貴先生。
「また、糖尿病だけではなく、脳卒中・冠動脈疾患のリスクも高まります。つまり、朝食をとらないこと自体が大きなリスクなのです」(土肥先生)。
毎日朝食を食べた人に比べて、朝食を食べた回数がを週0~2回のみだった場合は全心血管疾患、全脳卒中、脳出血のリスクが高まることが実証された。
健康のためにも、塩分控えめの"朝食革命"はまさに必須。そこで順天堂大学とフルグラの販売元であるカルビーは共同研究講座「グラノーラ健康科学・予防医学講座」を開設。"100年朝食プロジェクト"と銘打ち、3年計画でグラノーラ朝食の臨床研究に取り組み、エビデンス(臨床結果、検証結果などの科学的根拠)を収集。商品開発に生かしていくと発表しました。
左から2人目が順天堂医院 院長の天野 篤先生、3人目がプロゴルファー・中嶋常幸さん。
貧血・便通・脂質改善などにも期待
フルグラに期待されている健康効果は、減塩だけにとどまりません。1食50gあたり食物繊維は4.5g(1日に必要な摂取量の4分の1)なので、便通の改善効果も期待されています。前回の記事で登場したプロゴルファーの中嶋常幸さんの座右の銘「入るものと出るものに気をつける」の、まさに"出る"効果です。
また、鉄は1食50gあたり5.0mg(1日に必要な摂取量の3分の2)含まれているので、貧血改善効果も期待されます。さらに、オーツ麦や大麦に多く含まれている水溶性の食物繊維・βグルカンが1食50gあたり0.75g含まれていることにも注目が集まっています。なぜなら、このβグルカンは1日3gの摂取で、血糖値の上昇抑制やコレステロールの低減、冠状動脈心疾患のリスク低減が認められているからです。
実は中嶋さんも、フルグラによる朝食革命を始めている一人。「サクサクとした食感で、おいしく食べられる点が気に入っています」
そう、無理なく長く続けるためには、おいしさも大切! フルグラで、手軽においしく「減塩生活」を始めてみませんか。
取材・文/岸田直子