健康であるためにはどうしたらいいのか? セルフメディケーションの時代と言われる今、私たちもそれなりの健康常識は身につけておく必要があります。
病気というものをどうとらえるか、医者との付き合い方、 病気にならない考え方――。ほかにも、食事の摂り方、ストレスの対処の仕方、あるいはダイエットを成功させるコツな ど、明るく元気に毎日を過ごしてもらえる有益な情報を連載でお届けします。今の生活をもう一度見直し、自己治癒力を高めるスキルを学びませんか?
脚にたまった血液を一気に戻す
昔の人のように、長い道のりを歩いたり、何かを自分で運んだりするような運動をしていれば、自然と全身の筋肉が鍛えられ、血流もいい状態を保てるでしょう。
しかし、現代人の生活ではそうはいきません。どこに行くにも乗り物の移動がほとんどですし、大抵の仕事では座りっぱなし、立ちっぱなしなど、体の負担になるわりには運動量はたいしたことがないからです。これでは血行は悪くなるばかりです。
心臓の容積は50〜60㎖程度なのに対して、全身の血流量は5000〜6000㎖です。したがって、心臓に鞭打ってみても、全身の血流が劇的に改善することはありません。むしろ全身の血流を改善させるには、全身にたまった血液を一気に戻してやることのほうが効果があります。そこでふくらはぎマッサージです。ふくらはぎには大量の血液がたまっているのですが、それを心臓に戻してやるのです。
方法はいたって簡単です。1日に10〜20分、アキレス腱のあたりから、膝に向かってゆっくりとマッサージをするだけです。ふくらはぎの筋肉がほぐれる風呂上がりがお勧め。疲れやだるさを感じやすい人は、ぜひ日々の習慣として取り入れましょう。
岡本 裕先生(おかもと・ゆたか)
1957年大阪生まれ。e-クリニック医師。大阪大学医学部、同大学院卒業。卒業後12年あまり、大学病院、市中病院、大阪大学細胞工学センターにて、主として悪性腫瘍(がん)の臨床、研究にいそしむ。著書に『9割の病気は自分で治せる』『9割の病気は自分で治せる2【病院とのつき合い方編】』『9割の病気は自分で治せる【ストレスとのつき合い方編】』(以上、KADOKAWA)、『22世紀。病院がなくなる日』(飛鳥新社)など多数。
「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」
(岡本 裕/KADOKAWA)
文庫で大好評を博したベストセラー『9割の病気は自分で治せる』3部作のエッセンスを抽出し、読みやすく再構成したベスト版。自分の力で健康を保つための考え方&方法が満載です。