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健康であるためにはどうしたらいいのか? セルフメディケーションの時代と言われる今、私たちもそれなりの健康常識は身につけておく必要があります。
病気というものをどうとらえるか、医者との付き合い方、 病気にならない考え方――。ほかにも、食事の摂り方、ストレスの対処の仕方、あるいはダイエットを成功させるコツな ど、明るく元気に毎日を過ごしてもらえる有益な情報を連載でお届けします。今の生活をもう一度見直し、自己治癒力を高めるスキルを学びませんか?
コミュニケーションから有益な情報が得られるケースも
医者の大方の習性として、どちらかと言えば押しには弱いところがあります。したがって、医者にはあまり遠慮せず、多少厚かましく接するほうが得する場合が多いと思います。
がん患者さんを見ているとよくわかるのですが、積極的で、自己中心的で、少々厚かましいくらいの人のほうが、断然予後が良好です。執拗に何度も質問をしてくるタイプの患者さんは、正直なところ、うるさいなと感じることもありますが、結果的にはコミュニケーションもより取れることになり、治癒率も高くなるのです。
積極的で前向きな姿勢そのものが、プラスに作用していることもあるのかもしれませんが、えてして有意な情報が、そういった押しの強い患者さんに流れやすいという事実もあるように感じます。
自分で病気を治すために欠かせないのは、本音で付き合いができる医者に身近にいてもらうことです。ただ、「医者と患者」の関係でいる限り、本音の付き合いは難しいですから、できればプライベートな付き合いで探すというのがいいかもしれません。医者の友達が見つかるまでの当座は、医者を専門家の1人としてうまく活用すればいいと思います。
医者を活用する場合、みなさんが留意しなければいけない点は、その医者がきっちりとカテゴリー分け(トリアージ)をしてくれるかどうか、健診結果をきっちりと評価してくれるかどうかという2点に尽きます。
疾病をカテゴリー分けすることは、医者にとっては最重要使命です。
次に健康診断(健診)です。健診は何らかの疾患を想定して、的を絞って受けるのが得策です。多くの場合は〝がん〞ということになりますが、40歳を超えると1年に1回、健診を受けたほうがいいでしょう。
ただ、健診は万能ではありません。「健診で大丈夫だったからまったく問題ない」ということではなく、あくまでも目安の1つです。
また、健診はあくまでも早期発見の手段であり、予防の手段ではありません。健診もうまく活用すれば有用ですが、やはり、自己治癒力を高める生き方が最優先です。
岡本 裕先生(おかもと・ゆたか)
1957年大阪生まれ。e-クリニック医師。大阪大学医学部、同大学院卒業。卒業後12年あまり、大学病院、市中病院、大阪大学細胞工学センターにて、主として悪性腫瘍(がん)の臨床、研究にいそしむ。著書に『9割の病気は自分で治せる』『9割の病気は自分で治せる2【病院とのつき合い方編】』『9割の病気は自分で治せる【ストレスとのつき合い方編】』(以上、KADOKAWA)、『22世紀。病院がなくなる日』(飛鳥新社)など多数。
「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」
(岡本 裕/KADOKAWA)
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