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Q.炊飯器におかゆモードがないときはどうすればいいでしょうか?
A.一般の炊飯モードで炊いてください。機種によっては炊き上がってから保温に移行しないことがあります。そのときはスタートして45分をめどに電源を切り、甘酒の作り方の2.に進んでください。
Q.甘酒がすっかり気に入ってよく作るのですが、炊飯器を使うとご飯作りに支障をきたすことがあります。炊飯器を使わない作り方があれば教えてください。
A.炊飯器を使わずに作る方法もあるので、ご紹介します。
材料(出来上がり1ℓ分)
熱湯...400㎖
水...200㎖
米麹...200g
作り方
1.耐熱ボウルに冷やご飯を入れ、ラップをして電子レンジ600Wで6分加熱する。
2.1.を取り出して熱湯を加え、まんべんなく混ぜる。
3.2.に水を足して、まんべんなく混ぜる。
4.パラパラにほぐした米麹を加えて混ぜる。
5.発泡スチロール箱(33×48×26㎝程度)を用意して、4.のボウルを入れる。保温用に1ℓ容量のステンレス製ボウルかガラス製の計量カップに熱湯を注いで脇に置き、箱のふたをする。
6.途中で、熱湯を3回ほど入れ替え、そのまま12時間保温する。
Q.甘酒作りの途中、保温4時間ほどたったころ、炊飯器をのぞいてみました。水分が全くなく、ご飯の表面が茶色くなっていてびっくり!大丈夫でしょうか?
A.麹菌が分泌する酵素アミラーゼがご飯のでんぷんを分解するとともに、酵素のプロテアーゼがたんぱく質をペプチドに分解する途中の状態です。茶色になっていても心配することはないので、ご安心ください。乾いた木べらで全体を混ぜて、ふきんを元通りにかぶせて保温を続けてください。必ず、甘酒が出来上がります。
Q.米麹を購入しようとしたら、白いかびがもやもやついている板麹と薄茶色でパラパラした乾燥麹がありました。甘酒作りにはどちらを使うのがよいでしょうか?
A.板麹でも乾燥麹でも、どちらを使っていただいても大丈夫です。また甘酒作りに使うときの量も、どちらも同じです。板麹を使う際には、混ぜる前に細かくパラパラにほぐしてから使います。
写真左が板麹、右が乾燥麹
Q.甘酒作りの際、米の代わりにもち米で作るとさらに甘くなると聞きましたが、作ることはできますか?またそのときの分量を教えてください。
A.確かにもち米を使うと甘みの強い甘酒が出来上がります。甘い方がお好きな方は、ぜひもち米でチャレンジしてみてください。もち米で作るときも、材料は甘酒作りと同量で大丈夫です。もち米だけだと甘すぎると感じるときは、米ともち米を半々に使ってみてもいいでしょう。健康への効果は、米でももち米でも変わりはありません。
Q.甘酒は冷凍できますか?
A.はい、冷凍できます。冷蔵で2週間保存できますが、それ以上保存する場合は冷凍保存します。またたくさん作ったときなども冷凍しておくとよいでしょう。解凍すれば元の甘酒に戻りますし、麹菌も100を超える酵素類も復活します。
甘酒ちょい足しレシピ(写真下)
市販のたくあんや白菜漬けに甘酒をまぶしたりあえたりすると塩かどが取れ、マイルドなおいしさを引き出せます。
村上祥子(むらかみ・さちこ)さん
料理研究家・管理栄養士。1942年、福岡生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。食材の持つ力で健康寿命の延伸を図る研究に関与。同大学にある「村上祥子料理研究資料文庫」で50 万点の資料が一般公開されている。公式ホームページ http://www.murakami-s.jp/