食事を変えると、集中力が上がりミスが減る。残業が無くなる。疲れにくくなり眠くならない。ストレスが無くなる。体が締まりカッコよくなる。そして仕事が楽しくなる!
体のマネジメントには、仕事と同じように「成功法則」があるのです。
書籍「稼げる男は食事が9割」で、正しい食事の知識を学んでいきましょう。今回はその40回目です。
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本来、エネルギー代謝は脂肪酸、ケトン体回路
私達のDNAに刻み込まれたベースのエネルギー代謝は、ブドウ糖中心ではなく、脂肪酸やケトン体中心のプログラムなのです。
食べものを大量に摂取することができるようになり、特に砂糖などの糖質を好きなだけ摂ることができるようになっても、ブドウ糖によるエネルギー代謝のプログラムが追いついていないのが現実です。だから、肥満率が高くなり、糖尿病や高血圧などの生活習慣病が国民病と呼ばれるようになってしまったのです。
ブドウ糖によるエネルギー代謝が人類の歴史からみると699分の1とはいえ、1万年もたっているのだから、すでにブドウ糖はエネルギー源の主役になっているのではないかと、思う人もいるでしょう。事実、1日の半分以上を糖質でエネルギーをまかなっているにもかかわらず、肥満にも病気にもならず、健康なままでいるという人がかなり多くいらっしゃいます。
毎日、健康的な和定食を食べて、体型を保ち、健康でいる方には何もいうことはありません。ジャンクフードも食べず、こういう食事をしている人が病気になったり肥満になったりするという率は非常に低いということも言えると思います。
「ほらみろ、やっぱり今はブドウ糖がエネルギー源の中心なんじゃないか」という声が聞こえてきそうです。しかし、人間は適応の生き物で、現代の糖質過多の食事で、ジュースやアイス、チョコレートをたらふく食べても健康が保てる人もいれば、かなり健康に気を使っているのに、病気になってしまったり、やせづらいという言う人もいるのが事実です。
私が言っているのは、歴史上のベースとなるところは脂肪酸、ケトン体代謝であり、そこからブドウ糖メインでも適応できている人もいるという話です。糖質メインの代謝が人類の本来のベースではなかったという事実をお伝えしています。ですから、意外と文化がそうであったから糖質中心の生活を送っているだけで、多くの人は、ブドウ糖ではなく、脂肪酸、ケトン体代謝の方が適応できる可能性が高いということなのです。
ブドウ糖が優先されるのは糖質中心の食生活で、血液中にケトン体が決定的に少ないということと、糖質がたくさんあるのは体にとって毒であるから、すみやかに処理をしなければいけないからです。世の中には、その糖質が上手く代謝できない、つまり現代の糖質中心の食文化にまだ適応できていない人が、かなり多いというのが事実です。
これが、お米のような比較的吸収がゆっくりの糖質であれば、大丈夫な人もいれば、そのお米に高カロリーな脂質をぶつけることによって、エネルギーが溢れて代謝不良を起こす人もいたり、お米レベルでも代謝が上手くいかず、血糖値が急上昇する人もいるということです。
つまり、現段階では、ブドウ糖によるエネルギー代謝システムがまだ完成していない人が大半である可能性が高いということです。
血糖値を下げるホルモンはご存知インスリンでした。インスリン以外に血糖値を下げるホルモンは存在しません。それに対して、血糖値を上げるホルモンには、インスリンと同様に膵臓から分泌されるグルカゴンのほかにも、副腎髄質から分泌されるアドレナリン、副腎皮質から分泌されるコルチゾール(ステロイドの一種)、脳下垂体から分泌される成長ホルモンなどがあります。
この数の違いは何を意味するのでしょうか。
エネルギー源は命を保つ生命線です。エネルギーがつくれなくなったら、それは死を意味します。血糖値を下げるホルモンがインスリンしかないということは、私達の体は血糖値が上がることをあまり想定していないことになります。同時に、血糖値を上げるホルモンがいくつもあるということは、私達の体はいつ飢えに直面するかわからないという想定をしているからではないでしょうか。
私達は栄養素を合成や分解など、代謝するためや、嬉しい悲しい、興奮するなどの感情面まで、多くの生理的な作用をホルモンに依存しています。そんなホルモンの種類や作用を知っていくと、活動量に対しての糖質の量の多さへの疑問や、その適量について疑ってかかっていく必要があります。
次の記事「糖質メインの食事。それは紛れもなく「飢えをしのぐため」のもの」はこちら。
森 拓郎(もり・たくろう)
1982年生まれ。株式会社rinato 代表取締役。
フィットネストレーナー、ピラティス指導者、整体師、美容矯正師。
中京大学体育学部卒業後、地元の自動車ディーラーで営業成績トップを獲得し、その後パーソナルトレーナーになるために上京。大手フィットネスクラブの個人売上トップを獲得し、自身のスタジオを2009年にオープン。
ファッションモデルや女優など、身体を資本とした女性などを中心に、ピラティス、整体、美容矯正など足先から顔までのボディメイクを指導。メディア出演、記事監修、指導者育成なども行う。
『稼げる男は食事が9割』
(森 拓郎/KADOKAWA)ベストセラー『ダイエットは運動1割、食事9割』の著者が初めてビジネスマンのために書いた「稼げる男」になるための食習慣。「食事は自分への投資」という事実を理解する事からはじめる、誰でもできる食事法とは?