食事を変えると、集中力が上がりミスが減る。残業が無くなる。疲れにくくなり眠くならない。ストレスが無くなる。体が締まりカッコよくなる。そして仕事が楽しくなる!
体のマネジメントには、仕事と同じように「成功法則」があるのです。
書籍「稼げる男は食事が9割」で、正しい食事の知識を学んでいきましょう。
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1日200㎞を走って移動できる狩猟民族がいる
メキシコの山岳地帯で生活するタラフマラ族は、未だに狩猟を中心とした生活を守り続けている民族です。男達は、狩りのために何日も山の中を休むことなく移動しています。多い日で1日200㎞も走りながら獲物を求めて移動するといいます。そうした能力がないと獲物を得ることができない環境下で生活しています。 彼らの走る能力は、トライアスロンやアイアンマンレースの選手の比ではありません。
しかし、彼らが超人的な能力や特殊な肉体をもった、私達とは全く異なる人間なのかというとそうではないのです。それどころか、私達にも、タラフマラ族の男達と同じ能力を潜在的にもっています。ただ、糖質中心の食生活を送っているかぎり、その潜在能力を発揮することはないでしょう。
さて、ここまでお話ししてきて、糖質マネジメントを成功させるエネルギー源の答えをいいましょう。 糖質をほとんど摂取しない状態でも、ブドウ糖の代わりにエネルギー源になるのは、脂質である「脂肪酸」と、それを代謝した時にできる「ケトン体」です。そして、タラフマラ族の男達のエネルギー源が、まさにこの脂肪酸とケトン体ということなのです。
もちろん、タラフマラ族の男達は脂肪酸とケトン体だけをエネルギー源としているわけではなく、ブドウ糖も使っています。彼らも私達と同じ人間なわけですから、脳も赤血球もブドウ糖を消費しているのですが、その割合が私達と違うため、いってみればハイブリ ッドで状況に応じて糖質メインと脂質メインのエネルギー源を使い分けて、1日200㎞を移動するという過酷な狩りをしているのです。 私達にも彼らと同じ能力が備わっているといいましたが、普段の糖質メインエンジンか ら、ハイブリッドエンジンに切り替えていくことで、その能力を発揮することができるようになるはずです。
余談ですが、トライアスロンやトレイルランニングの選手のなかには、このハイブリッドエンジンをすでに実践している人がいます。有名な選手でいうと、日本人のプロトレイルランナーであり、世界でもトップクラスの成績をもつ鏑木毅選手は、160マイルもの距離を走るにおいて、肝臓400㎉、筋肉1000㎉程度しか貯蔵しておけないブドウ糖に頼っていては走り切れないということから、普段から糖質メインではなく、脂質をメインとした食事を摂っているというのです。
これはトレイルランやトライアスロン、100㎞以上を走るウルトラマラソンランナーの中では、そんなに珍しくない方法であるというのも付け加えておきましょう。これはまさにタラフマラ族と同じハイブリッドエンジンを目指しているということです。
ビジネスでも、壁にぶつかったり、トラブルに遭遇したりしたときには、臨機応変な対応が求められます。壁にぶつかったり、トラブルが起きたりするのは、これまでのやり方のどこかに問題があるからです。そのとき、一つのやり方しかもっていなければ、壁を乗り越え、トラブルを解決することはできません。
タラフマラ族や、トレイルランナーのような消費カロリーの多い状況ではないにしても、そんなに私達にブドウ糖が必要なのかは疑問が残ります。彼らのエネルギーの使い方には、稼げる男になるためのヒントが隠されています。ハイブリッドエンジンを上手く活用することこそ、稼げる男の条件だと言っても過言ではないでしょう。
森 拓郎(もり・たくろう)
1982年生まれ。株式会社rinato 代表取締役。
フィットネストレーナー、ピラティス指導者、整体師、美容矯正師。
中京大学体育学部卒業後、地元の自動車ディーラーで営業成績トップを獲得し、その後パーソナルトレーナーになるために上京。大手フィットネスクラブの個人売上トップを獲得し、自身のスタジオを2009年にオープン。
ファッションモデルや女優など、身体を資本とした女性などを中心に、ピラティス、整体、美容矯正など足先から顔までのボディメイクを指導。メディア出演、記事監修、指導者育成なども行う。
『稼げる男は食事が9割』
(森 拓郎/KADOKAWA)ベストセラー『ダイエットは運動1割、食事9割』の著者が初めてビジネスマンのために書いた「稼げる男」になるための食習慣。「食事は自分への投資」という事実を理解する事からはじめる、誰でもできる食事法とは?