できるだけ切らない! 痔の治療ポイントは「生活習慣の改善」

pixta_39565630_S.jpg日本人の3人に1人が悩んでいるとされ、「生活習慣病」の一つと見なされるようになっている「痔」。肛門は長寿とともに〝耐用年数〟をはるかに超え、その環境はますます厳しくなっています。今回は痔の種類や症状の改善方法などを、平田肛門科医院の3代目院長である平田雅彦先生に伺いました。

前の記事「日本で患者数第2位!「痔」の三大疾患とその治療法とは/痔(1)」はこちら。

 

「痔」は手術が必要な痔ろうを除いては、痔を発症させたり悪化させたりする生活習慣を改善することが大切になります。薬は補助的な役割として使用します。種類と症状に合わせて、外用薬の坐薬・軟こう・クリームと内服薬(消炎剤、鎮痛剤、抗生物質)が処方されます。市販薬もありますが、ステロイド入りが多いので、あくまでも症状を抑えるためだけの一時的な使用にとどめるべきです。

 

●手術が必要な場合とは? 最新療法とは?

痔ろうや、重症の内痔核、生活改善や薬物治療を2~3カ月行っても症状の改善が見られない場合は、手術を検討します。方法はさまざまですが、できるだけ肛門の機能を損なわず、痛みや心身への負担が少ない方法が取られます。

内痔核では、最新のICG併用半導体レーザー療法が、肛門(こうもん)括約筋(かつやくきん)を傷つけず、出血や痛みが少ないと注目されています。人体に無害の色素を注入した痔核にピンポイントで半導体レーザーを約15分照射して、痔核を縮小させます。また、直接痔核に薬液を注射して、痔核に流れ込む血液量を減らし縮小させるALTA療法もあります。出血や痛みが少なく、保険適用もされていますが、薬液の成分の安全性に懐疑的な欧米では認可されていません。メリットとデメリットを理解しながら進める必要があります。

 

気をつけたい生活習慣とは?

~規則正しい排便習慣を心がけましょう~
●便意があったら我慢せずにトイレに行く
●食物繊維(豆類・海藻類・こんにゃく・寒天など)やビフィズス菌が豊富な食事を摂る
●十分に水分を摂る
●トイレで強くいきまないようにして、排便は3分以内を心がける
●辛いもの、アルコールなどの刺激物は控える
●手軽にできるウオーキングなどの運動を、毎日行う
●無理なダイエットをしない

~お尻をいつも清潔に保ちましょう~
●温水洗浄式便座を使う場合は、水圧は弱めにし、刺激し過ぎない
●湯船に浸かり、血行を良くする
●お尻をよく乾かす

~お尻への負担を減らしましょう~
●座りっぱなし、立ちっぱなしを避ける
→1時間に1回10m歩く
●疲れやストレスをためない
●体を冷やさない

「生活習慣の改善」は痔の予防、治療、再発防止への第一歩であるだけでなく、他の生活習慣病の予防にもつながります。

 
取材・文/古谷玲子(デコ)

<教えてくれた人>
平田雅彦ひらた・まさひこ)先生

1935年開院の平田肛門科医院3代目院長。1981年筑波大学医学専門学群卒業。日本大腸肛門病学会肛門領域の指導医。患者本位の親切医療を目指す。著書に『痔の最新治療』(主婦の友社)、『痔の9割は自分で治せる』(マキノ出版)など。

この記事は『毎日が発見』2018年7月号に掲載の情報です。
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