国内で3000万人が悩んでいるといわれる腰痛。寒さが厳しい今の時期に、特に痛みを感じやすいという人も多いのではないでしょうか。そこで今回は昨年の掲載で反響があった、理学療法士・酒井 隼(さかい・じゅん)さんに聞く「腰痛を防ぐ生活習慣」の特集を再掲載します。
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その腰痛、「体の重心」のズレが原因です。
体の重心とは... 体全体の重さのバランスが取れる点のこと。
「身体重心」ともいいます。
【体の重心が正しい姿勢】
重心がズレると...
背骨のS字カーブに狂いが生じ、腰部の関節に負担がかかり、腰痛が発生
- 座ると慢性的に腰が痛い
- 朝起きがけに急に 腰が痛くなる
- 荷物を持ち運ぶと お尻から足にかけて 痛みを感じる など
「体の重心」を本来の正しい位置に戻して腰痛を改善
国内で約3000万人が悩んでいるといわれる腰痛。
その痛みと深く関わるのが「体の重心」です。
「体の重心が後方にズレると、上半身の重さを分散して支えるための背骨のS字カーブがなくなります。すると、腰部の関節にかかる負担が増え、スムーズに動かなくなって、腰痛を発症します」と、酒井隼さんは言います。
重心が後方にズレるいちばんの原因は前屈みの姿勢。
デスクワークや介護などをする人のほか、心に悩みがある人も前傾姿勢になりがちだそうです。
思い当たったら、「体の重心」がズレているかも!
壁に肩が付けられない
壁に頭、背中、腰、かかとをぴったり付けます。その後、肩の後ろを5秒間、壁に付けてみます。付けられなかったり、5秒間付けるのがつらい場合は、体の重心が後方化しているといえます。
深くしゃがめない
和式トイレでしゃがむように深くしゃがんでみます。後ろに倒れてしまったり、グラグラと安定しなかったり、思ったほど深くしゃがみ込めない場合は、体の重心の後方化が進んでいると考えられます。
四つん這いで背中の上下ができない
四つん這いになって背中を上げて山をつくり、次に背中を下げて谷をつくります。思ったほど背中を上下できない、お尻が前に出る、ひじが曲がる、といった場合は要注意です。
取材・文/岡田知子(BLOOM) イラスト/秋葉あきこ