前編「「ケアプラン」って何? ケアマネージャーだから作れる介護の道しるべ/ケアプランの作り方(1)」はこちら。
ケアマネジャー(以下、ケアマネ)とは、要介護者が介護保険サービスを利用して生活をするためのサポートをする人。介護の始まりから終わりまでさまざまな相談に乗ってくれます。そのなかでケアマネが作成する「ケアプラン=介護サービスの利用計画書」ケアプランは要介護者や家族の状況に応じて介護サービスの種類や頻度などの子細を決める、介護の要です。
ケアプラン作成の際、要介護者や家族はどのような点に気を付ければよいか、在宅介護のサポートをする2人のケアマネ、恩田美代子さんと前田芳博さんにお話を伺いました。
良いケアプランを作るためのポイントは二つあります。
1.要介護者と家族の状況を把握し、伝えましょう
ケアマネは、要介護者にとって適切な介護サービスを調整してくれます。だからこそ面談の際に、要介護者の健康状態はもちろん、生活環境、家庭環境、趣味嗜好などをどれだけ把握してケアマネに伝えられるかが鍵になります。
「利用者が100人いたらプランも100通り。トイレに行くのが困難、寝起きに体が起こせないなど、どんな小さなことでも話してください」(前田さん)
「状況が分からないままプランを作成すると、適切なサービスが受けられない一因にもなります」(恩田さん)
例えば、認知症の進行具合を利用者が隠した結果、病状が進んでしまうということになりかねません。臆さず、状況をできるだけ包み隠さず話しましょう。
2.生活の目標を定めましょう
安定した生活を送るためのケアプランは、生活に目標を定めることでもあります。家族に負担をかけたくない要介護者、仕事を続けたい家族など、思いはさまざまです。
「要介護者や家族が送りたい生活をイメージして伝えてください。ケアマネは生活を調整するのが役目ですから」(前田さん)
例えば、「趣味のコーラスを続けたい」「身の回りのことをできる範囲で自分で行う」という要介護者の目標、「パートの仕事を続けたい」というような家族の思いなど、"送りたい生活=目標"を考えましょう。
恩田美代子(おんだ・みよこ)さん
1962年生まれ。ホームヘルパーを経て、2000年よりケアマネジャーに。現在、訪問介護事業所を併設するNPO法人「ケアサポート湧」が運営する居宅介護支援事業所に勤務。
前田芳博(まえだ・よしひろ)さん
1969年生まれ。介護福祉士としてデイサービスやNPO法人にて勤務後、2000年よりケアマネジャーに。2011年から独立して居宅介護支援事業所「赤とんぼ」を運営。