父親亡き後、走り書きの遺言書を発見。長男は正当な遺言書と主張するが.../もめない相続

1806p097_02.jpg生きていると、何回か相続を経験する可能性があります。一般的には夫の両親や自分の両親、そして配偶者などの相続です。この相続によって、それまで家族関係に何ら問題なかった親族、あるいは兄弟姉妹の関係が一変することが多々あるようです。つまり、もめるのです。

少しでももめない相続にするにはどうすればいいのか、相続問題に詳しい税理士の板倉京先生にケース別にアドバイスを伺いました。

前の記事「母親が認知症となり「成年後見人」を選んでいる。なにか不都合がある?/もめない相続(3)」はこちら。

 

◆ケース4
父親亡き後、走り書きの遺言書を発見。長男は正当な遺言書と主張

【相談内容】
父親が亡くなった後に「遺言書」らしきものが出てきました。ノートに、走り書きで子どもの名前と土地や預貯金の金額が書いてありました。財産の金額が多く書かれている長男は、これは正当な遺言書だと主張しますが、弟や妹は納得しません。

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【先生のアドバイス】
遺言書に日付と署名と押印があり、不備がないかを確認する

基本的に遺言書の形式で、内容が分かり、日付と署名と押印があれば、走り書きでも遺言書としては有効です。もし、長男の健一さんが正当な遺言書だと主張するなら、法的に不備がないことが条件となります。
例えば、不動産が複数あるのに「長男にはあの家をあげる」としかなく、どの不動産か特定できない場合などは遺言書として不十分といえます。土地なら、「〇丁目○番地の土地は長男の健一に相続させる」と、疑いの余地を残さないように明記することが大切です。

遺言書には公正証書遺言と自筆証書遺言があります。公正証書遺言は、証人や書類、手数料がかかりますが、公式な文書となり公証役場で原本が保管されます。一方、自筆証書遺言は、費用もかからずいつでも書けるなど手軽に作成できます。ただし、全て自分で書くため法的に正しく作成し、保管も自分でする必要があります。

◎もめない相続にするための5カ条

1. 生前贈与など相続方法を考える
2. 遺言書を作成する
3. 成年後見制度を確認する
4. 生命保険を利用する
5. 親や兄弟と親交を深めておく

 

取材・文/金野和子 イラスト/坂木浩子

<教えてくれた人>
板倉 京(いたくら・みやこ)先生

税理士。女性開業税理士で組織された㈱ウーマン・タックス代表。相続・贈与等個人資産に関する税務・保険が得意。講演活動も行う。著書に『夫に読ませたくない相続の教科書』(文春新書)などがある。

この記事は『毎日が発見』2018年6月号に掲載の情報です。
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