毎年払う自動車税。どんな税金なのでしょうか?/法律・税金で悩んだらプロに相談

毎年払う自動車税。どんな税金なのでしょうか?/法律・税金で悩んだらプロに相談 pixta_7158886_S.jpg自動車税とはどのような税金なのか? 実は、あまり知られていないようです。毎年払う税金のひとつですが、その金額は意外に高いもの。安く抑えるコツなどを税理士の坂本 剛先生にお話を聞いてみました。

 

【相談】
車を持っているので毎年、自動車税を支払っていますが、なぜこんなに高額なのか分かりません。自動車税を低く抑える方法はありますか?(女性60歳)

 

坂本先生の【お答え】
自動車税を低く抑えられるのは、排気量の少ない車。
軽自動車が最も安くなります。

自動車税は、自動車の所有に対して毎年課税される財産税の一種ですが、道路を利用することに対して、その整備費などを負担してもらうという性格も持っています。
自動車税は、用途や総排気量により税額が決まります。自家用乗用車の場合、総排気量1リットル以下で29,500円、1リットル超からは0.5リットル刻みで税額が上がり、6リットル超の111,000円まで設定されています。

また、軽自動車税は、自家用乗用軽自動車の場合、一律10,800円です。規定内の大きさで排気量が660㏄以下の車には、自動車税ではなく軽自動車税という税金がかかるのです。
自動車税は都道府県が課税するのに対し、軽自動車税は市区町村が課税します。
自動車税と軽自動車税は毎年発生する税金で、車の所有者が支払わなくてはなりません。

自動車重量税という税金もありますが、これは自動車税とは別に自動車の重量に応じて課税される税金で、車検を受ける時に支払います。自動車重量税も道路整備などに使われています。自動車を購入する時に支払うのは、自動車取得税(購入代金が50万円以上の場合にかかります)という、これまた別の税金です。

自動車税・軽自動車税は、毎年4月1日時点での自動車の車検証上の所有者に対して、自動的にかかる税金です。年度の途中で自家用乗用車を新規登録(購入)した場合の初年度の自動車税は、「新規登録をした月の翌月から3月までの月割り分」で計算され、購入時に支払います。

一方、軽自動車税には月割りの制度はないので、4月2日以降の早い時期に購入すると翌年の4月1日まで約1年分の軽自動車税を節約できるのです。

また、自動車税・軽自動車税は、エコカーを新規登録した場合に大幅に減税されます。環境性能に優れた「エコカー」については優遇措置があり、2019年3月31日までに新規登録を行った場合は、燃費基準の達成度合により自動車税は「おおむね50%75%」の減税、軽自動車税は「おおむね25%~75%」の減税となります。

自動車税・軽自動車税は、新規登録翌年度のみ減税されます。エコカーであっても、2年目以降は、自動車税・軽自動車税の減税はないということです。

ではここで購入後5年間の自動車税がいくらかかるか試算してみましょう(エコカー減税の対象でない車を4月2日に購入した場合)。1リットルの小型車では約145,000円、軽自動車は43,200円となり、軽自動車は1/3以下の金額で済みます。

   

毎年払う自動車税。どんな税金なのでしょうか?/法律・税金で悩んだらプロに相談 坂本 剛(さかもと・つよし)先生
<教えてくれた人>
坂本 剛(さかもと・つよし)先生

税理士。坂本会計事務所代表。個人・企業の税務相談に応じる傍ら、講演活動も多数行っている。著書は『知識ゼロから決算書が30分でわかる本』(角川新書)他。

 
この記事は『毎日が発見』2018年5月号に掲載の情報です。

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