既に、空き家を持っている人は待ったなしの状態です。まだ空き家は持っていないが、親の家、あるいは自分の家が将来的に空き家になる可能性がある人は、いまから対策を考えておきましょう。オラガ総研代表取締役社長の牧野知弘さんにお聞きしました。
前の記事「親名義の空き家。名義変更はお早目に/空き家と相続(1)」はこちら。
それでは、家を売るにはどうすればいいのでしょう。親もそうですが、私たちも同様に、子どもに迷惑をかけないために、元気なうちに家をどうするか考えることが大切です。もし、売ることができるのであれば前向きに検討してみてください。
家の価値をネットで確認しましょう
売るにしても、維持管理するにしても、家の価値を確認することが先決です。「家の価値はネットで確認できます。家の住所、例えば○○市 中古住宅というキーワードで検索すれば出てきます。自分の家と似ている物件があれば、価格(売値)より10%を引けば買い取ってくれる値段の目安が分かります。ネットが利用できないなら、子どもに頼んで調べてみてください」と牧野さん。地元の不動産屋でも確認できますが、ネットで相場を確認してから行くことが肝心です。
もし、価値がないようなら、空き家管理サービスの会社を利用するなどして維持管理をします。ぼろぼろの家は誰も欲しいとは思いません。お金はかかりますが、維持管理をすることが売却の近道となります。
隣の人が買ってくれる場合があります
また、隣の人が買ってくれる場合もあるのでダメ元で声をかけてみましょう。家を相続させる人は1人にして、あらかじめ土地の歴史や権利関係などを相続する子に話しておくことも忘れずに。
【リバースモーゲージは慎重に検討しましょう】
リバースモーゲージは、持ち家を担保に融資額を設定し、住みながら金融機関から融資を受けられる制度で、死亡後は持ち家を売却して返済を行います。注意が必要なのは、担保に入れた自宅の価値です。借入人が死亡したときに、売却して相殺できればいいですが、売れなかったり、売却金額が借入金額に満たない場合は、その返済が相続人にも及びます。
家を売るための五つのポイント
取材・文/金野和子
牧野 知弘(まきの・ともひろ)先生
オラガ総研代表取締役社長。ホテルや不動産の開発・運用アドバイザリーの他、市場調査や執筆・講演活動を展開。『[図解]実家の「空き家問題」をズバリ解決する本』(PHP研究所)など著書多数。