14年に渡り、ハハ(お母さん)の遠距離介護を続けてきためぐろのY子さん。大変な夜を家族みんなで乗り越えた次の日、「せめて今夜は超絶おいしいモンたべよーっっ!!」。愛に溢れた、忘れられない家族のひと時──。
最後に、めぐろのY子さんからのメッセージも。
前回の記事:老人たちに当たり前のように訪れる「死」。私が学んだ生きるということ/めぐろのY子
週末は大変でした。ハハが背骨の「圧迫骨折」になっちゃったのです!
もうコレは、老化現象なので、ホントにどうしようもなくて、激痛に耐えるハハを見守るしかないという。
たぶん、一番ハハが痛がるであろう晩のこと。
夜中に何度、パフパフが鳴ったことでしょう。
その度、オトトと階段をダダダ〜っと駆け下りてくと、おっちゃんが心細そうに廊下に立っている。
ハハも大変だけど、おっちゃんも大変。
なんとかその夜は乗り切ったけど。。
「金に糸目はつけねぇ〜! 好きなモン言いなっ!!」
このどんより空気を払拭するには美味しいモンしかないっ!
ステーキ?カツ丼?何がいい?
おっちゃんの「カツオ食いてえ」の言葉で
初ガツオ! カツオのタタキに決定〜〜〜!!
ホントに大変だったけど、
まだまだハハもおっちゃんもしんどいけど、
その時、カツオのたたきは本当に美味しくて、
外は夕暮れ、窓からは涼しい風。
と〜〜っても幸せな気持ちになったんだ。
一見、とても幸せに見えない状況だけど、
この時の幸せはホンモノで、
たぶんここだけ切り取ったら
すっごくすごく幸せな家族だったと思うんだ。
この最後の一コマが描きたくて、
何があってもこのシーンを思い出したく備忘録・・・
<最終回・めぐろのY子さんよりメッセージ>
両親が亡くなって、早や1年が経ちました。
今、読み返してみると、なんて濃い時間を過ごしていたんだろうと改めて思います。
あれから私は感動する心が薄れてしまいました。
表裏一体と言うのでしょうか。
両親の介護が大変であればあるほど、
人からの何気ない親切にいたく感動し、
両親の何気ないふるまいを宝物のように胸に刻み、
壮絶なケンカの後の仲直りの握手の温かかったこと。
決して戻りたいとは思わないけれど、
こんな時間が持てたことが今となってはとても愛おしい。
介護は終わりがないから辛いと言うけれど、
介護は必ず終わります。
必ず終わりが来るのです。
もう、この両親に会えないと思うと辛すぎるので、
ちょっと遠くに引っ越して行ったと思うことにしています。
読んでいただいてありがとうございました!
めぐろのY子
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めぐろのY子
遠距離介護の一つとして日々の出来事を漫画にし、母へハガキ送っていたことをきっかけに、ブログ「絵描きと女子高教師をする子なし兼業主婦の絵日記 めぐろのY子より」をスタート。笑いと愛に溢れたブログに感動する人が続出。コミックエッセイ『結局!大丈夫 大丈夫』絵本『大丈夫 大丈夫』などが書籍化されています。
※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。
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