「あの時、マスクを譲ってくれてありがとう」小さな親切が生んだうれしい出来事

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:とらとら
性別:女性
年齢:54
プロフィール:アラフィフ兼業主婦。最近SNSの投稿にはまってます。

「あの時、マスクを譲ってくれてありがとう」小さな親切が生んだうれしい出来事 11.jpg

今年54歳の兼業主婦です。

今から2年ほど前の話になります。

新型コロナウイルス感染症の流行が始まった時期で、全国的にマスクが品薄になっていました。

わが家は夫(今年55歳)がひどい花粉症ということもあり、感染症が流行する前からマスクは必需品で、よく箱で購入していました。

その日は、たまたま近所のドラックストアに入荷があると聞いて買いに行きました。

みんなマスク購入に来ていたのか、私のほかにも休日の朝とは思えないほどたくさんのお客さんが来店しています。

マスクは入ったすぐの場所に置いてあり、「1人1箱まで」と制限がかかっていましたが、私は運よく購入することができました。

目的はそれだけだったので、真っ直ぐレジに向かい、清算を済ませて帰ろうとしたときです。

高校生ぐらいの少年と小学生ぐらいの男の子が「もうマスクはないんですか?」と店員さんに聞いているのを耳にしました。

どうやらもう売り切れてしまっており、店員さんに「もうないみたいなんです。ごめんね」と返されていました。

おそらく兄弟だったのでしょう、小学生ぐらいの子が「お兄ちゃん、どうしよう」ともう1人の少年に話しかけていました。

お兄ちゃんも「ないと入れないもんな」と言っており、2人で顔を見合わせてとても困った様子でした。

弟君が泣きそうな感じだったので、私は思わず「どうしたの?」と声をかけました。

すると、弟君が「あのねっ、マスクないとパパのところ行けないの。病院入っちゃダメって」と一生懸命、身振り手振りで教えてくれました。

お兄ちゃんも説明してくれて詳しい事情がわかったのですが、実はこの兄弟、親御さんがけがで病院に運ばれたらしいのです。

すぐに病院へ行こうとしたのですが、マスクがないと入れないと連絡を受け、慌てて買いに来ていたのです。

それを聞いた私は、家にまだマスクのストックはあったので、2人に買ったマスクを譲ることにしました。

2人は「いいんですかっ?」とパッと顔を明るくさせました。

そして、私に何度もお礼を言いながら、手をつないで走って帰っていきました。

その後ろ姿を眺めながら、いいことをしたなとその日は気分よく手ぶらで家に帰宅して、食事のときに家族にもその話をしていました。

後日、息子(20歳)がSNSで拡散されている記事を見つけて私に見せてくれました。

そこには「××薬局でマスクを譲ってくれた優しい女性の方。あのときは本当にありがとうございました!」と書かれていました。

日付や簡単な状況説明もあり、私はあの兄弟のことだとすぐに分かりました。

文面的にお兄さんのアカウントなのでしょう。

どうやらけがをされた親御さんも大事ないようでほっとしました。

「まぁ、こんなふうにお礼が届くこともあるのね」と少しほっこりした経験でした。

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