「食べ物を扱って毒物混入や食中毒があったら?」PTAの学校祭出し物決めでひと騒動⁉/かづ

アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。

息子の通う高校でPTAの会長に選出された時のお話です。

【前回】PTAきってのトラブルメーカーがやらかした不祥事の後始末。彼女の処遇をどうする?

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酔っ払って学校に怒鳴り込みの電話をかけ、PTAを辞めることになった下条さん。

下条さんからの辞意をFAXで受け取り、本部役員達には詳しくは次の定例会で話すとした。

黒木さんには詳しく電話で話したので、恐らく役員会までには皆に大体の事が知り渡っているだろう。

下条さんが起こした前回の不祥事は、米沢さんが会長時だったとの事から私がまだ役員になっていなかった1年生の時だとわかった。

1年生の時からすでに役員だった黒木さん達から私は何も聞かされていなかったが、当時会長の米沢さんが秘密裏に片付けたので表には出なかったと推測する。

ただ黒木さんが、「当時1年の学年代表だった下条さんがある日突然辞めた。それなのに3年で副会長に入って来たからびっくりした」と言っていたので、その頃に今回と同じような事があったのではないか。

恐らく当時米沢さんは他の役員達に何も伝え相談する事無く、個人的に下条さんに辞めるように言ってトラブルを無かった事にしたのだろう。

その恩義もあって、下条さんは米沢さんの手下になったと言うわけか。

今回の事で、今後米沢さんからの横やりが静まると思っていたが、敵もさるもの引っ掻くものだ。

PTAの会長がどれほど偉いと思っているのか、それも卒業してからも永遠にその権威が続くと思っているのがここの歴代会長会だと言うから呆れるとしか言いようがない。

実にくだらない。

私も会長であったり代表であったりを今までたくさんしてきたが、【偉い】と思った事などはない。

そりゃあ「偉いですね」と言われた事は何度かあるが、そのたびに「偉くないですよー。責任の重ーい縁の下の力持ちですからー」と答えてきた。

「偉い」と言われたとて、自分自ら「偉い」と思っているのが愚かだ。

季節はPTAとして学校祭に向けての準備にかかってきた。

学校祭にはバザーとうどん店を毎年する事になっていて、文化委員と行事委員がメインでそれにあたる。

「毎年する事になっていて」と言うのは、ある意味「今年は何にしましょう?」と考えなくて済むからであり、別に絶対にそれをしなくてはいけないと決まっている物ではない。

基本はそれぞれの各委員会が「今年はこれにします」と決めた物を全体でサポートするので、ただ単にそれが毎年バザーとうどん店だった。

バザーの売り上げから必要経費を引いたものを毎年決まった団体に寄付していて、PTA名で感謝状が送られてきて、それを額に入れてPTA会議室に歴代の物と並べて掲げている。

だからバザーは止める事は出来ない(らしい)。

では残るはうどん店だけかと思っていたところに、文化委員長と行事委員長の二人から相談を持ち掛けられた。

文「うどん店は直接食べ物を扱うので、私たち素人ばかりの集まりで不安が多いです」

行「今までのマニュアルは材料の仕入れや作り方があるだけで、衛生的と言うか...、防犯的な事が無いんです」

防犯的な...?

当時大きく報道された毒物混入事件から数年経った頃で、委員の数人から食べ物を作って提供する事の不安が出たらしい。

端的に言えば、うどんを作る前日にしても当日にしても、保護者のお手伝いが来た際に本人確認が出来ない点と、食中毒などの問題が起こった際に責任が来るのは困ると言う点だった。

今なら首からかけるタイプのネームプレートや入校証などがあるのだろうが、当時はそんな物は無く、当日お手伝い委員受付名簿の「学年・クラス・生徒名」の所に丸を付けるだけだった。

普段は仕事で全く出て来れないが、年に1度の学校祭だけ出られる委員さんも多く、いわば各委員長ですらはじめてお目にかかる保護者も多い。

「〇田です」や「▢山です」と言われても、本当にその方が〇田さんや▢山さんかどうかが分からない。

さりとて顔写真付きの証明書を出せとまでは言えず、不審者が紛れ込んでいても確認のしようがない。

文「学校や生徒間のトラブルで恨みを持った人が入って来ていても、私達は誰それの親ですと言われれば確認のしようが無いんです」

行「もし毒物混入が有ったり食中毒があったら自分たちの責任になりますよね?」

食中毒があった際に備えて検食(試食や一定日数保存する)もするし、もしそんな事があった場合の全責任は会長の私にある。

万一新聞に載る時も『○○高校PTA会長○○かづ』で載る。

けれどもどちらにしても被害者は出るわけで、【誰が作った!?】と犯人捜しの状況になるのは避けられない。

文・行「そんな怖い事出来ないって意見が出ているんです」

「他の物でもいいんじゃないですか?」

文「えっ!?他の物でもいいんですか!?」

「だって、うどんにしなきゃならない決まりはありませんから」

行「そしたら買ってきた物を売っても良いんですか!?」

「いいんじゃないですか?今年それを売ったところで、来年の委員さんがうどん店をしたいと言ったらうどんにすればいいんですし。とりあえずうどん店をしろって強制されるものではありませんから」

文・行「あ~ぁ!良かった~!」

「とりあえず次の委員会でその旨を議題に出して決議を取りましょうね。議事録にも記載されますから」

この件が次の嵐を呼ぶことになるとは、その時は想像もしていなかった。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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かづ

​ブログ「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」の管理人で、Ameba公式トップブロガー。 基本専業主婦の60代。子育てが終わり、夫と愛猫小鉄と暮らしている結婚40年超えです。 一人っ子の夫と結婚し、舅姑の理想の嫁でなかった私の結婚生活においての戦いや、ママ友にPTA等を思い出しながら書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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