「アラフィフの私が20代の頃の恋愛話です。私は一級建築士の彼と婚約中でした。でも、結婚という現実が近づくにつれ、彼の『倹約家』ぶりが、どうしても気になるようになって...」
■夢にむかって努力する彼が大好きだったが...
20代半ばの頃、私にはとても自慢の彼がいました。国立大学出の一級建築士で、とても優しい人でした。
彼は小学生の頃、お父さんが脳梗塞になって重い後遺症を残してから、凄まじいほどの貧乏生活をしていたそうです。
4畳半の玄関もない部屋で親子5人の生活を続け、「子どもの頃、玄関のある部屋に住むことが夢だったんだ」と、当時のことを語っていた彼。
毎日「こんな家に住みたい」と、紙に間取り図や家の絵を描き続け、初めて玄関付きの6畳に引っ越したときの感動が忘れられないと話していました。
玄関の付いた部屋に引っ越したとき、彼は1つの夢が叶うと同時に新しい夢を持ち始めました。
それは、一級建築士になるという夢。
彼は高校に入ると部活でバレーボールを続けながら、アルバイトを掛け持ちし、必死に勉強して国立大学に主席合格しました。
私は、そんな努力家の彼が大好きでした。
ですが、結婚の話が現実に近付いていくたびに彼の倹約家っぷりが気になるようになったのです。
最初に気になったのは壁の使い方。
彼が私の部屋に遊びに来たときに、「壁の空きスペースがもったいない」と言い出したのです。
私はテレビ台の上を空けておいたのですが、「テレビの上のスペースが空いているから、壁一面を棚にすると無駄がなくなるよ」と言うのです。
圧迫感を感じると説明したのですが、彼はその意見を曲げようとはしませんでした。
食事の話をすれば、食卓にモヤシが不可欠らしく、彼はモヤシについて語り出すと止まらないのでした。
何よりも強調していたのが、モヤシは自宅で簡単にいくらでも栽培できるという話。
モヤシだけではありません。
彼は「お金がかからない」「お得」「安い」という話題が大好きだったのです。
野菜の皮を捨てることは許されず、一緒に買い物をすれば「駅前のスーパーの方が5円安いよ」といった感じで、買わせてくれません。
どうしても出てしまう野菜くずについては、家庭菜園に再利用するからと捨てることもできないのです。
そんな私たちが婚約を解消し、別れるきっかけとなったのが焼きそばでした...。
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