「私が小さい頃、地元に霊感おばさんと呼ばれる女性がいました。彼女は地元の人たちの死期を言い当て、みんな彼女を恐れるようになっていました。学生だった私も彼女の存在を恐れていましたが...」
■地元で「霊感おばさん」として有名だった女性
2021年のことです。
母から電話があり、実家の近所に住むとある女性が亡くなったことを知りました。
私は、実家を出てからは近所の人たちとほとんど交流がなく、近況について全く知らなかったのですが、その女性の名前を聞いて、久しぶりに30年前の恐怖体験を思い出しました。
私の実家は郊外の住宅街にあったのですが、当時50歳くらいだったその女性は、強い霊感があると近所でとても有名な方でした。
その女性は、住宅街に住む人々の体調に関することを予知していたのです。
ほとんど面識のない住人の体調が悪化していることを見抜いたり、具合が悪くて入院していた方の死期を次々と言い当てたり、的中率はぞっとするほど高かったのです。
まだ学生だった私や友人もその噂を耳にしていて、「霊感おばさん」と呼んで恐れ、その女性の家には決して近づかないようにしていました。
当時、その女性のことを「どうせインチキだ、適当なことを言っているだけだ」と言い放って馬鹿にしていた近所のおじさんがいました。
しかし、おじさんの持病が悪化したとき、その女性は「私のことを悪く言った報いだ」と言い、おじさんの余命を告げると予言どおりそのおじさんは亡くなってしまいました。
それがきっかけで周囲の大人たちは彼女に予言されるのを恐れるようになり、誰も彼女の悪口を言わなくなったのです。
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