アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。
息子の通う高校でPTAの会長に選出された時のお話です。
【前回】エアコンの点検代をPTA会費から?学校に施設設備費を払っているのに納得できるはずもなく
学校のエアコンの点検代はどこから出すべきなのか。
坂田先生に「子どもが可愛かったらPTAの金を黙って出せ」的な事を言われたのには驚いたが、そもそも元教え子の私をPTAに推薦してまで入れたかったのはこういう時に使えるからだったのだろう。
元教え子なら言う事を聞くとでも思っていたんだろうし、ある意味子どもを人質に取っているんだから学校の言う事は聞くに決まっているとでも思っていたのだろう。
恐らく今までの歴代の会長たちは、少しでも我が子に何か有利になると思って、学校からの意向をずっと裏で受け入れていたのに違いない。
それを立場を悪用した『裏取引き』やら『便宜』と言うのだ。
自分の金でもないのに公金であるPTAの会費を承認も取らず、学校に言われるがままに飲み代やら弁当代やらをホイホイと出してやることで、我が子に少しでも有利にと考えていたとしたら問題以外何物でもない。
全校のエアコンの修理・点検費用など数万円の話しではなく、数十万円の話しなのだ。
今までこれら全てを公にしなかったのは、保護者に受け入れてもらえない事を知っての上だったからだ。
今年度から教頭になった後藤先生宅に電話を掛けた。
同窓会の連絡等で後藤先生には何度もご自宅に電話をした事があった。
公私混同かと思ったが、数分で終わる話ではなかったので翌日学校に電話をするよりもと思った。
「おぉ!どないした?」
いつもの調子の後藤先生に、今回の件を最初から最後まで事細かく説明した。
保護者が支払っているお金にはすでに『施設設備費』が入っている事と、PTA会費と言う公金からの支出を会議を通さずに会長の一存で支出されていた事。
そして坂田先生から言われた『子どもが可愛ないんか』と脅された事に加えて、後藤先生に相談すると言うと『どんだけの力があると思っとんや』と言われた事など全て話した。
「そうか...、あいつそんな事言いよったか...」
私の話しをずっと黙って聞いていてくれた後藤先生は、少し笑いを含めて重い口調で言った。
「先生、私は何が何でもお金を出さないと言ってる訳やないんです。学校からきちんと書面等でPTAに要望が来て、それを会議で審議して承認が取れたら可能だと思うんです。それを会長に『頼むわな』の一言で、委員や役員すら知らないうちに出す金やないと思います」
「そりゃそうや。会長の立場やったらそれは当然や」
「それも『子どもが可愛ないんか』って、これ脅迫ですよ?今までの会長たちって、子どもに便宜を図ってもらってたんですか?」
「いや、そんな事は無いけどな...」
あったとしても、ここで『あった』とは教頭の立場では言えないのはわかって聞いた。
「飲み代や弁当代の数万円なら小さい物ですけど、今回は数十万円ですからね。それを今までの会長は黙って出して来たんやから今回も黙って出せは、私が『うん』て言うと思います?」
「いや、あんたは言わんわな(笑)」
高校生の頃は生徒会で何かとお世話になっていた後藤先生なので、私がどんな性格かをよーくわかっていらっしゃる。
「で?あんたはどないしたらええと思ってる?」
「おそらく今回金額が大きいので、PTAが出さないとなると学校は困ると思います。それに、この話しをこのままPTAに出しても承認はもらえません」
「そやな...、もらえんわな...」
「だから、生徒会を使ってください」
「生徒会!?」
「エアコンは生徒たちにとっては必要なものですから、本来なら年間の必要経費として計上して各生徒達からの納入金額の値上げをするべきところです。それを今すぐには無理でしょうし、かと言ってエアコンが壊れたままの教室があるのも生徒たちが可哀想です。そこで、PTAに学校からではなく生徒会から要望を出してもらうんです」
「なるほどなぁ~」
「学校からの要望だと、保護者から『施設設備費』を取っておいてなんで?となります。毎年実施していた修理・点検に費用が賄えず、今年は見送る可能性だと言う事を生徒会に出します。当然生徒たちは『そんなんあかんわ!』となるので、そこで『PTAに頼んでみよう』としてください。学校からの要望ではなく、生徒会からの要望なら通ります。校長が出してくれって言うより、子どもたちから出してくれって言う方が承認取れます」
「わかった!それで動いてみる!あんたは昔っからこういうの得意やったもんな」
「その分、敵も多いですけどね(笑)」
7月の定例会まで数日となったある日、後藤先生から自宅に電話が来た。
「生徒会から要望書が出た!今年はエアコンの修理・点検は見合わせる予定やって話したら、あんたの言う通り反発が出て、『PTAに頼んでみよう』って話になったんや」
「あぁ、良かったです!そしたら次回の定例会に生徒会担当の先生に出席して頂いて、その要望書を皆さんの前で説明して貰えますか?生徒に出て来いとは言えませんから」
7月定例会当日。
生徒会担当の倉木先生が定例会に出席して説明すると教頭から聞いた。
「今日、坂田先生は?」
「帰った!」
「えぇえぇ!!(笑)」
定例会には、PTA担当の坂田先生が授業の無い時はほぼ毎回出席してくれていたが、私と顔を合わせたくなかったのか、自分の発言を会議でバラされると思ったのか、帰ったと聞いて驚いたが吹き出してしまった。
(まぁ、本人がいてもいなくても言うつもりだけどね)
この日を境に、坂田先生は会議に一度も出て来なくなった。
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