「30代の女性です。一家の大黒柱が突然倒れてから、追い打ちをかけるように発覚したさまざまな嘘。あのとき、どうしたら良かったのか? いまもときどき考えてしまいます...」
アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?
■働き盛りの父が突然病に倒れて要介護者に
25年ほど前、私が中学生だった頃のことです。
50歳目前の働き盛りの父親が、真夜中の寝室で突然倒れました。
救急車で運ばれ、即入院...数日間ほど生死をさまよい、何度となく手術を受けました。
父は1カ月ほど集中治療室に入りましたが、結局半身麻痺の障害が残り、そのまま要介護者になってしまいました。
一家の大黒柱である父が突然、働けなくなってしまったのです。
母はとにかく気丈に努めていましたが、姉は高校に、私は中学に入学したばかりで、恐らく不安で仕方がなかっただろうと思います。
当時、私も初めて食事がのどを通らないという経験をしました。
■追い打ちをかけるように見つかっていく父の嘘
しかし、追い打ちをかけるように問題が発生しました。
父が倒れて数日、まだ父の意識もままならない状態のときに、父に数百万円もの借金があることが発覚したのです。
もちろん、家族の誰も父が借金をしているなんて知りませんでした。
また、母は父から「勤務先の給料の支払いが2カ月遅れている」と聞いていたそうなのですが、会社に確認すると、きちんと給料日に支払われていたことが判明。
さらに、父は病に倒れる数カ月前から毎日残業と言って帰りが遅かったのですが、ずっと定時で帰社していたことが分かったのです。
浮気相手がいたのではないか、以前示談で解決したといっていた事故が、実は何らかの問題があったのではないか...。
母も私も悪い想像ばかりしていました。
父に真相を問いただしたくても、後遺症が残ったためうまく言葉を発することもできず...そんな状態の父を責めることもできません。
結局、母は理由も分からない父の借金を、私たち姉妹の進学や将来のためにとっておいた貯金と、重度障害になった父への保険金などをやりくりし、すべて返済しました。
父が倒れてから約15年後、母も大病を患って亡くなり、父も借金については何も話さないまま、母の死去から7年後に亡くなりました。
いまとなっては金額の詳細、何のために作ってしまった借金なのか、何も分からなくなってしまいました。
もしかしたら母は真相を聞いていたのかもしれません。
理由のひどさに私たちには隠し通した可能性もあります。
あのとき、もしくは数年後に会話ができるようになった父に、どんなに気まずくても私自身の耳で聞いておけば良かったと、自分が家庭を持ってからずっと後悔しています。
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