「50代の男性です。正義感から未然に詐欺を防ごうと警察署に行ったところ、はからずも別のトラブルに巻き込まれてしまいました」
アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?
■ポストに届いていたアパートの家主からの怪しい封筒
いまから10年ほど前、私が42歳の頃の話です。
アパートでひとり暮らしをしていたのですが、郵便受けには毎日のようにチラシやDMが投函されていたので、帰宅時にそれらを選別するのがルーティーンになっていました。
ひとり暮らしの方が多く住んでいるアパートだったせいもあり、チラシの多くは出前や不動産関連が多かったです。
あるとき、その中に宛名や店名が書いてない封筒が混じっていました。
珍しいと思って開封すると、そこにはアパートの管理会社からの振込先変更のお知らせが記載されていたのです。
最初はチラシと一緒に捨てずに良かったと思っていたのですが、よくよく考えたらそのような重要な内容の書類にも関わらず、無記名の普通の封筒に入って送られてきたことに違和感を覚えました。
改めて書類の内容を確認すると、振込先変更だけではなく、振込日までも変更指示が書いてあります。
新しい振込日は従来の振込日より2日早いです。
文面には「管理会社より」とは書かれているものの、アパートの管理会社名や住所は記載されておらず、問合せ先として電話番号が書かれているだけ。
(これは多分...詐欺だ)
少しでも不信感を持つと真偽を確かめずにはいられなくなるため、その電話番号に非通知で掛けてみると、予想通り使用されていない電話番号でした。
このとき、振込詐欺を狙った投函物である可能性が高いと確信したのです。
■派出所に証拠を持って向かうとそこでトラブルが...
無視しようと思ったのですが、何もしないせいで誰かが騙される可能性があるかもしれない...面倒ですが警察に届けることにした私。
最寄りの派出所に向かったところ、運悪く他の人の対応中だったので、終わるまでしばらく待つことになりました。
どうやら警官が対応している男性は、酔っているせいかずっと警官に対して脈絡もないことを話しているようで、警官もうんざりして早く終わらせたいようでした。
ですが、男性はそれを面白がってさらに絡むので収集がつかず、私もそこでずっと待たされていました。
しばらくして青ざめた顔をした40代くらいの女性が派出所に入ってきて、「認知症の母が家からいなくなったんです」と、切実な口調で警官に伝えました。
しかし、酔った男性は警官を解放しようとしません。
私はその状況にだんだんといたたまれなくなってきました。
酔った男性がこちらを振り向いて「あんたもこいつらの対応が悪いのがわかるだろ?」と話しかけてきた瞬間、私の堪忍袋の緒が切れました。
「お前がどれだけ迷惑かけているか自覚がないのか!」
そう大声で返してしまい、その場の全員が凍り付いたのがわかりました。
酔った男性は自分の行動の着地点を見失ったのか、ウダウダ言いながら派出所から出ていきました。
そして、母親を探しに来た女性に先を譲ったため、結局私の対応は深夜までかかってしまいました。
しかし、初対面の相手に怒鳴ってしまうとは...。
当時は自分を温厚で冷静な人物だと思い込んでいたのですが、人は状況によって豹変するものなのだなと、ときどき思い出します。
詐欺を防ごうと派出所に向かったばかりに、いらぬトラブルに見舞われてしまったエピソードでした。
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