「すぐ入院できますか?」腹痛、微熱、血便...起業したての私に告げられた「難病」【みなさんの体験記】

「パワハラで職場の全員が退職という異常な経験をした私(56歳・男性)。会社勤めがほとほと嫌になって、思い切って起業しました。しかし、1カ月ほどたったころ、酷い腹痛に悩まされるようになりました」

アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?

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■起業して心機一転!「これから」というときに襲った腹痛

約16年前、現在56歳の私が40歳頃の話です。

当時、働いていた職場ではパワハラが酷く、すったもんだの末、私を含めて全員が退職するという異常な経験をしました。

それが原因で、会社勤めがほとほと嫌になった私は思い切って起業を決意しました。

趣味仲間から助言を受け、面倒な手続きや物資の調達を乗り越え、自分の店を開業したときは感動しました。

1人で大変でしたが、怒号と罵声に満ちた会社員時代を考えると、毎日が楽しくやりがいに溢れ、充実した気分を味わっていました。

1カ月ほど経って仕事のリズムもできた頃、微熱が出て軽い下痢を発症しました。

何年も病院に行っていなかった私は、市販の風邪薬を服用しながら回復を待ちました。

しかし、血の混じった下痢と腹痛が酷くなり、仕事に影響が出るようになったため、私はついに観念して病院に行きました。

注射ですぐに回復するだろうと思っていましたが、医師は診断後に難しい顔をして「すぐに入院できますか?」と言いました。

潰瘍性大腸炎だろうとのことで、当時その病名を聞いたことのなかった私は頭が真っ白になりました。

紹介状を受け取り、翌日に紹介された病院に入院しました。

■入院治療が始まり、一旦は回復するも...

入院して点滴治療を開始。

すぐにその効果が出て、私は食生活上のさまざまな注意を受け、一週間程で退院することができました。

しかし、潰瘍性大腸炎が指定難病であり、「難病」という不安から精神的な活力をすっかり失いました。

唐突な休業で生活リズムも崩れてしまい、開業当初の勢いもなくなりました。

恐る恐る毎日の業務をこなし、2、3カ月後に精神的に落ち着いてきた頃、再び腹痛に見舞われました。

怖気づいた私はすぐに病院に行き、再度の即入院となりました。

前回と同様の治療を受けて一週間程で退院しましたが、このときはかなりしんどく、再発の恐怖から食事もままならなくなりました。

もともと痩せ気味の体は衰弱する一方でした。

そして程なく再発し、その後は入退院を繰り返すようになりました。

退院しても家で寝込むことが多くなり、少しの外出にも恐怖を感じ、友人の助けが必要でした。

数時間ごとの発作のような下痢で、眠れずに疲労がたまり、辛い日々が続きました。

働く気力もなくなり、開業後1年も経たないうちに廃業しました。

ただ、この絶望的な状況の中、両親や友人は離れて住む私を電話やメールで励ましてくれました。

働けなくなった私は、彼らの励ましで辛うじて気力を保つことができていました。

そして、やがて仕事を探す気力も芽生え、最終的には就職し、社会復帰することができました。

病気は再発してしまいましたが、何とか切り抜け、数年かかってやっと落ち着いた日常を取り戻すに至っています。

病気の原因は特定できないらしいのですが、思い返せば仕事上のストレスにただ耐え続け、上手に気分転換できなかったのがよくなかったのかもしれません。

投薬の量は年々減り、いまでは一時的に服用をしなくもよい状態です。

この病気との付き合いにも慣れ、かえって健康に気遣うようになれたことは収穫です。

あのときに励ましをくれた両親や友人に感謝しています。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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