「孫の彼女が気に食わない！」と文句を言う義母。なんと2人を別れさせようと強硬手段に出て...

70代後半の義母と私の息子、つまり義母にとっての孫の話です。

義母にとって息子は初孫だったこともあり、それこそ目の中に入れても痛くないくらい可愛がっていました。

息子も義母のことが大好きで、小さい頃から一緒によく出かけていました。

そんな息子も2年前に大学生になりました。

そろそろ義母と出かけるのも恥ずかしくなるだろうと思っていたのですが、相変わらず2人で映画に行ったり、外食したりと、まるで恋人のように仲良くしています。

義母も「友だちにからかわれないの？」と、心配しながらも満更でもない様子です。

ところが2022年の春、それまで全く女性の影のなかった息子に、とうとう彼女ができたのです。

すると、だんだんと状況が変わってきました。

それまでは義母からの誘いがあると喜んで会いに出かけていた息子でしたが、当然のように彼女とのデートを優先するようになり、徐々に義母と会う機会も減っていきました。

義母は孫に彼女ができたことを誰よりも喜んでいたのですが、息子と会う回数が減ったことをとても寂しく思っていたようです。

それでも、もう孫も大人になったのだから仕方がないと、納得しようとしていたみたいです。

ところがある日、デパートに出かけた義母は、そこで偶然にも彼女とデート中の息子に会ってしまったのです。

楽しそうにする2人を見て義母はショックを受け、さらに彼女のことが気に入らなかったらしく、私たちに「あの子は孫には似合わない」と言い始めました。

彼女はとても明るくて気の利く良い子ではあるのですが、いま風のギャルっぽいメイクやファッションをしており、それが義母は気になるようでした。

日に日に義母の苛立ちは増していき、ついには「彼女と直接会って孫と別れさせる！」などと言い出しました。

私と妻は、そんなみっともないことは止めて、2人をそっと見守ってほしいとお願いしたのですが、頑なに2人の交際に文句を言い続けます。

その後、意を決した義母は、妻から彼女の通学ルートを聞きだすと、彼女の自宅の最寄り駅で待ち伏せすることにしました。

そして、改札付近で彼女の姿を見つけ、駆け足で彼女に近づこうとしました。

しかし、急いで追いつこうとスピードを上げたとき、足を滑らせて階段で転倒。

バタンと倒れた義母を見て、周囲は騒然となったそうです。

それに気付いた彼女が慌てて義母に近づいてきました。

彼女はテキパキとした対応で近くの病院まで義母を送り届け、幸いにも診察の結果は軽症だったので、手当てを受けて帰宅することができました。

義母は、憎き恋敵に介抱されるという不覚にしばらくしょんぼりとしていましたが、いまでは「孫は良い彼女を見つけられて幸せだ」と言うようになりました。

これで義母の孫を巡る『恋愛騒動』も一件落着し、ほっとしています。